あらすじ
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本書は、「一般の5次方程式が根号で解けないことをきちんと証明する」ことを頂上(ピーク)として、そこに向かって一歩一歩、しっかりと登っていく本です。前提としているのは、高校数学の知識です。それがしっかりと理解できていれば読めるようになっています。ピークへの過程に出てくる定理には、証明が全て書いてあります。一番易しいルートを選択しながら、途中から急に難しくなることなく、最初から最後まで、同じ丁寧さで解説していきます。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
一般に5次方程式の解は根号では表せない。
このゴールに向かって、方針や定理などが例を用いて丁寧に説明されていた。
なんとなくわかった気がする、、
Posted by ブクログ
各章冒頭に見取り図を入れた構成、丁寧な式の展開、文字の大きさ、2色刷などなど、本当にガロア理論を理解させたいという情熱と緻密さが結びついた本。
私は大学は工学系卒ですが、40歳を超えて、初めてガロア理論の頂を踏むことができました。最後のページをめくり、理解し終えた今、少し寂しい気持ちです。なぜなら、登坂の過程が苦しくも余りに美しく、楽しかったからです。
私は3刷を読みましたが、まだ、何カ所か間違いと思われる部分がありました。こちらはあらためて、出版社に問い合わせたいと思います。
それはさておき、次は何に進めばよいのか。今は燃え尽き症候群です。あまりに根を詰めて1週間ほどで読み終えたからでしょうか。。。
Posted by ブクログ
p.71 ↑2 互いに素であるものの個数が4(2^3 ¥cdot 3^4 ¥cdot 5^2)
は8(2^2 ¥cdot 3^3 ¥cdot 5^1)じゃないだろうか...
Posted by ブクログ
ガロア理論における「5次方程式には解の公式が存在しない」ことを,出来るだけ最適限の知識から1冊にまとめた意欲的な教科書。アルティン流の参考書と併読するのが良いか。
Posted by ブクログ
分厚くて取っつきにくいかと思いきや、そうでもなく。解説が丁寧で、用語で引っかかることがないようになってて、読み進めれば目的の理論が分かるようになってる。
Posted by ブクログ
中学生の時に学んだ二次方程式と解の公式を覚えているだろうか。
当時は呪文のようにx=・・・と覚えて、あとはこの公式に従って具体的な数字をあてはめて計算すると解を求めることができた。
が、高校生を卒業しても3次方程式の解の公式を習っ多記憶がある人はあまりいないのではないだろうか。
そして4次方程式となるとほぼ皆無だと思う。
一般に、N次方程式にはN個の解が存在するわけであるが、どんなNでも二次方程式のように解の公式と呼ばれるものが存在するだろうか、という問題は実は昔の重要な問題であった。
余談であるが、昔は方程式の解を求めるのは一種のスポーツ?ギャンブル?になっていたそうだ。
二次方程式の解の公式は昔から知られていたから問題にはならなかったようだが、3次、4次方程式を出題し、その解を早く見つけた方が勝ち、というゲームらしい。
閑話休題。
さてN次方程式の解の公式だが、結論を言うと実はN=5以上の次数では解の公式は存在しない。
(ということは3次と4次方程式の解の公式は存在するのだ。が、学校で学ぶには難しすぎる(長すぎる笑)ということもあり学ばないのだと思う・・・)
これを証明するためには、実は現代数学の基礎ともいえる「群論」と呼ばれる数学の分野が必要となる。
本書は、このN=5以上の次数では解の公式は存在しない。という定理を証明するための書籍である。
工学部でも群論は線形台数で少し学ぶ程度であるため、ほとんどの人間になじみがないと思う。
群とは何か、ということから入り、その群を導入することによって何がすばらしいか、何がわかるのかということを紹介しつつ、目的の定理を証明する。
本書の良いところは、定理すべてに証明が記載されているところで、大学で使用するようなテキストでは定理の証明を練習問題(解答なし!)に回したり、途中のロジックを飛ばしたりするのが常であるが、本書はこのようなことをすることなく、一種の読み物のように一から説明するスタンスである。
(とはいいつつ、たくさん数式が出てくるので片手間で読めるような簡単なものでもないが)
群論の入門書としては、目的(N=5以上の次数では解の公式は存在しないという定理の証明)がはっきりしすぎているため読者を選ぶかもしれないが、群論は昔から興味あったけど大学の教科書を読むのもしんどいという人、とくに大学の教科書は定理→証明が永遠と続く苦行なので、本書のように目的がはっきりしている分やる気が出る。
この群論と呼ばれる数学の分野は、本書のタイトルにもある通りGalois理論と呼ばれる理論が基礎となっている。
これは、当時20歳程度のGaloisがほぼ独自に発見した分野である。
早熟の大天才と呼ぶにふさわしい偉業であると思う。悲惨な事に、この偉業は当時の最高の数学者たちにも理解されず、そして若くして死んでしまったという悲しいお話し。