【感想・ネタバレ】交雑する人類 古代DNAが解き明かす新サピエンス史のレビュー

あらすじ

いま人類史研究は飛躍的進歩を遂げつつある。その起爆剤となっているのが古代DNA革命だ。2010年ごろより、古代の骨から抽出した全ゲノムデータ解析による新発見ラッシュが続いている。
これまでの考古学や人類学の定説を次々に打ち砕き、人類の新たな歴史を浮かび上がらせているのだ。旧人類と交雑をくり返してきたホモ・サピエンスの進化の道すじや、私たちの遺伝子の中に息づく大昔の“ゴースト”の存在など、「人類」そのものの捉え方を根底からくつがえす衝撃の事実が明らかになりつつある。
世界におけるヒト古代DNAの半数以上を解析・発表してきたパイオニアが、初めて最新の成果をダイナミックに提示し、“新サピエンス史”の幕開けを告げる記念碑的名著。

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Posted by ブクログ

おもろいのはおもろいんだけどとにかく長い。
そしてムズい。不眠症の方は是非お試しを。

訳者あとがきからパクります(堂々)
「第一部は人類の歴史解明になぜDNA解析が威力を発揮するのかを説明、第二部では古代の集団による大規模な移動や混ざり合いで今日の世界各地の集団が今の姿になったことを明らかにしていく、第三部ではDNA解析の社会的個人的意味、従来の定説を覆す圧倒的な威力に触れる。」とあります。

なんのことや分からんですよねぇ。

私なりの解釈としては「人類なんて皆んな雑種なんだし人種とか◯◯人はどうとか訳の分からんこと言うな!でもまぁそれぞれ差はあるにはあるけどあんま気にすんな。要は個人個人。人それぞれ。」って感じですかねぇ。
とはいえ所々引っかかるポイントがありました。
以下書いていきます。
(あまりにも長すぎて読んだ側から内容忘れてますけど)

第一部(126ページまで)
有名な「みなさーん、ネアンデルタール人のDNAちょっと入ってるよー(アフリカの人除く)」の話からデニソワ人とか。第二部第三部に比べるとかなり読むのが辛い。眠いなんてもんじゃないです。
なんかめっちゃ混ざってる(雑種)、しかも今の見た目だけでは逆の遺伝子共有率の高さがあったりする(人種なんてねぇ)って感じですかね。
で。私がここで好きな項目は44ページの「子孫にどれくらいDNAを遺せるか」のとこ。
この話題はつい数年前に友人としたばかり。
「たった500年でも遡ったら先祖の数がとんでもないことになんだけど、近親婚を入れたとしても人類皆兄弟だし俺も天皇陛下と縁続きってことでいいかな?」みたいな会話。
友人には「好きにしろ」の一言で終わらされたのですが(会話とは)ここではその時私が思ったことをさらっと否定してくれてる。
つまり「卵子ができるときの染色体組み換えは45、精子は26、1世代につき71。つまりあなたのゲノムに寄与するDNA本数は両親から伝わった118。(46(両親からの染色体)+1 (ミトコンドリア)+71(組み換え))10代遡れば受け継いだDNA鎖は757、先祖の数は1024。24代前ならDNA1751、先祖16777261。
要は先祖の大多数からDNAを一切受け継いでいない。」とある。
えー。じゃあ私は天皇家とも将軍家とも華族とも関係ないってこと?奴隷のまま?(知ってた)
まぁY遺伝子とかミトコンドリアとかは別なんでしょうけども、男女入り混じって遡るんだとすればそれすらも使えず。
先祖がどうこうってのは記録としては有効かもですがあんま意味ないってことですね。
まぁそりゃそうだ。

第二部(322ページまで)
ここからおもろくなりますが、長すぎムズすぎで詳細はほとんど覚えていません。
ただ(第三部でも吠えてますが)著者は「人種」という枠組みとそれに伴うステレオタイプの偏見にイラついてる様子で、ここでは人種なんてもんは生物学的純粋基本単位なんかじゃ到底有り得ないし、今我々が目にするものは最近現れた区分だし、その起源は繰り返し行われた交雑と移住によるものだし、昔そこにいた人達の子孫がそのまま今の人な訳ないし、今までもこれからも交雑し続けるし。みたいな?
ヨーロッパ、インド、アメリカ先住民、東アジア、アフリカの祖先、起源をDNAを頼りに探っていくんですがまぁ思わぬところで関係が濃かったりしてね。おもろいです。覚えてないけど。
例のチンギスハンのY遺伝子はここだったかな(読み返す気力なし)てかチンギスハンの時にいつも思い出すんですが、似たようなことって日本でもないんですかね。昔って天皇家はお妾さんがたくさんいたんですよね?んでほとんど坊主にしてませんでしたっけ。一休さんみたく。しかもその坊主も全然坊主じゃなくて子供ばんばん作ったりで。
とすると日本にも思ってるよりも同じY遺伝子の男がそこそこいるんじゃないかなぁ。私が知らないだけで友人や近所の人が実は皇位継承順位15027位とかだったりしますかね。てかやっぱ俺も繋がってんじゃない?

第三部(400ページまで)
この最後の80ページだけでよくね?というくらい私好みのもの。いくつか書きます。

著者は「教育上の到達度」「修学年数」という単語を用いているが要は生まれつきの賢さ(遺伝的変異はあるか)ついて述べた箇所について。
遺伝的変異を持つ人が12年の教育期間を高い確率で完了する、とするとこの遺伝的変異が賢さの直接的な鍵だと思うでしょ?でもそうじゃないの。そういう遺伝的変異って第一子を産む年齢を引き上げるから修学年数に対する効果強力なの。だって子供持つのが遅ければ教育受けやすくなんじゃん?こういう間接的影響を通じてこれらの変異が効果を及ぼしてる可能性もあるからさーとしてますが。それってさぁ。同じことでしょ?
間接的も何も生まれつき勉強出来るから子供産むのが遅くなっちゃうんだよ。

「個人をそのグループの想定上のステレオタイプで判断することが人種差別主義の本当の罪」
ここでは黒人だから音楽の才能がある、ユダヤ人だから頭がいいなどは疑いの余地なく人を傷つけるとしている。そだね。あとアフリカ人が足が速いだろうってことだけでアフリカ人のみリレーに選出したらダメだよね、全員タイム測るべきだよねって例えもわかりやすい。うん。
てか最初のやつってさぁ、歌やダンスが下手な黒人、頭の悪いユダヤ人は存在意義がないって言ってるもんね。我々東アジアはよく頭の良さを褒められますが(ほとんどの場合嫌味ですが)、言われるたびにコレ思う。あと東アジア人「だから」賢いんだよねぇみたいな。ね。
ただ欧米のフィギュア選手は東アジア選手のことを本気でそう思ってはいるかもね。だって東アジア人は足首の柔軟性突進してんでしょ。そりゃジャンプ着氷出来るでしょ的な。はい差別。
ただね、毎度同じ話繰り返して申し訳ないですが、人種差別の本当の罪は「白人」と「一神教」だよ。なんだよ白と有色って。なんだよ俺んとこのだけが唯一の神で他の神は認めないって。そんな寛容ゼロ、排他的なグループがどう考えても最も罪深いだろうよ。せめてコピー用紙並みの肌の白さになってから白人って名乗って欲しいし、せめて内臓が透けて見えるくらい無色透明になってから俺たちのことを有色人種って呼んで欲しいです。

アイデンティティを探す人達の話もおもろい。我々のような島国、かつ見た目一緒、かつ同じ言語、かつ1億以上人口とかだと自分が他のみんなと一緒と信じ込めるので「まぁ俺もお前もずっと日本人だろ多少朝鮮や中国混ざってるけどなハハハ」って感じで無頓着でいられるんですよね。あとは本文中にもあるように混ざってることこそがアイデンティティだと思える人達(ブラジルの方々とか)とかもいちいち気にしないでしょうか。
でも陸続きの国々だったり何代か前の移民だったりましてや奴隷船で貨物以下の扱いで無理矢理連れてこられた子孫とかだとね。そりゃ出自に拘るよ。
ところがアメリカにおけるアフリカ系も徹底した混ざり合いによって全然均一化してるとな。(ニューオリンズはフランス奴隷商人、ボルチモア、チャールストンなどは別地点から積み込んだ英国奴隷商人だったにも関わらず)
ともあれ、貴方も私も雑種。純血なんて人はいない。まずこれを唱えてから国籍だの人種だのというおもちゃで遊べばいいのにね。

著者がどういうつもりで書いてるのか分からないが、最後の最後に自身が(DNA採取のため)古代人の骨をすり潰すことに倫理的疑念が生じたことを母親の兄弟(おじさん)のラビに相談する。相談されたおじはしばらく考える時間が欲しいといったあと戻ってきた。彼は先例や他のラビの判断がない場合にする助言をしてくれた。と。
曰く「人間の墓は全て神聖なものだが、理解を深めたり人々の間の障壁を取り除いたりするのに役立つ可能性がある場合にかぎって墓をあばくことも許されるだろう。」とのこと。こっから半ページほどで綺麗にまとめて長い長い本は終わるんだけどこれってどうなの。
別にいいんだけどね。いいんだけど。いいんだけどさ。著者はせっかく一流の科学者なんだから他のラビ20人に同じ質問をしてみる気にはならなかったのかな。
先例がなく他のラビの判断もなかった、つまりこのおじさんの判断しかないわけで、しかも一発目で自分の欲しい答えが出たからってそれで安心すんの?しかも「神聖」なものに対して「例外規定」が簡単に設けられることを?神聖って俺が思うよりもハードル低いのかしら。
別にいいんだけどね。マジで。いいんだけど。
ここでいう墓ってのは他の宗教は入ってたりするのか、また、葬られている人によって許されなかったりするのかな。宗派の偉い人の墓は科学の進歩がかかっていたとしても許されないと判断されるのでは?
別にいいんだけど。
まぁ私の頭が極端に悪い上に無学無知センスゼロなので、ここまで長く様々なデータを使って読んできた挙句に一宗教家の個人の考えで締めくくられるとイラっとするだけです。
ありもしない人種(実際は全員雑種)なんかに拘り過ぎることのデメリットをここまでながーく書いてきて、宗教の拘りによって自身のジレンマを解消(昇華?)されちゃうと「おいおい」ってなっちゃうかも。

ここまで各人種のDNA、言語、文化などが交雑してることを調べ上げたのならば、著者の頭の中には宗教の交雑もよぎってると思うんですよね。
(よぎってるどころか頭の真ん中に鎮座して悩ませているかも。まるでアフリカ系アメリカ人がDNAに縋って自身のルーツを探るように。)
宗教も言語や文化の一部、それが言い過ぎならば兄弟?二卵性双子?とかでしょうから、現在の宗教が純血なわけないしましてや世界で最も優れているわけもなく。純血でない限り(他の神の影響を受けてるんだから)一神教とかもねぇ。多神教の中で自分が好きなの選んだだけ、順位つけただけでしょうに。(外野からすると、ユダヤ教やイスラム教の方々はそれでもかなり基本ルールに則っていらっしゃるとは見えますが、キリスト教は。。。天使に悪魔に挙げ句の果てには聖人とかまで出てくる。唯一神とは。)でも他の一神教、もちろんそれ以外の仏教にしろ何にしろ、信仰されてる方は無意識に気づいているのでは。キリスト教があれほどのあからさまな矛盾を抱えながらも世界中の多くの信者が信仰を続けているということは、中の人には全く見えないということで。それはつまり、自分も何かの中にいれば同じように見えてない可能性があるのでは。的な。勿論私も無神論者の中にいて何か大きな矛盾に盲目なんですよね。それが何か分からないけれど。
人の振り見て我が振り直せ。

人種なんてない!人種による能力差なんてない!人種差異よりも個体差の方がでかい!(そりゃ当たり前。人種平均では身長も体重もさほど開かないけど同人種の個体差の方が差がでかい)ってのはやはり暴論。ある程度のグループ差はある。だからといってそれはステレオタイプの人種能力差を認めることにはならない って186センチ92キロ金髪青目白人男性の立場で言ってみたかったですが、これなかなか通らないでしょうね。
私は個人的にしゃぶしゃぶとか天麩羅、すき焼きなんかを日本料理として外人に紹介する時に胸がチクっとなるんです。ただの程度問題ではあるんですがあまりにも歴史が浅いしそんな「ここにしかないオリジナルです」みたいな顔するにはついさっきすぎない?みたいな。他国においても韓国が唐辛子料理を、イタリアがトマト料理を「我が国が世界に誇る伝統のー」みたいに言われると「あらまぁ、中南米の方々がどう思うかしら」となる。
で。も。ね。
チョコレートはベルギーとか平気で言っちゃうし、最近は「日本食といえばラーメン」とかも普通に聞く。
人間がとかく大袈裟なラベリングが大好き(中毒、てかそれしか出来ない)ならば、ステレオタイプな人種の概念はなくならないどころか、それこそが人種なんだと再定義されそう。

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2025年04月24日

Posted by ブクログ

面白いです!
初等中等教育ではおそわることがまだない、人類史の最新の知見が述べられています。文字としては記録が残っていない「神話」の時代をDNA分析で探究するという興奮の試み。
印象的であったのは、インドの成り立ちと、ストーンヘンジへの推察。
発行から時間を経ているので、その後の研究成果を反映した改訂版を期待します。
通しで全編を丁寧に読むのは時間を要するので、忙しい方は、興味を抱く章だけを読むことがおすすめ。

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2022年02月20日

Posted by ブクログ

現世人類とネアンデルタール人が交雑していたというのは現代では有名な話だが、それを明らかにしたのは「古代DNA分析」という研究分野。その第一人者である著者が、古代DNA分析の仕組み、ヨーロッパ、インド、アメリカ、アジア、アフリカの各地域に住む人々の由来に関する最新の仮説、そして集団間の遺伝的差異(優劣)という極めてセンシティブな問題に対してどう向き合うべきかを論じる一冊。

人類が進化の樹形図のように枝分れして進化してきたという直感は実は誤りであり、現世人類を含む様々な人類がお互いに交雑を繰り返して現世人類に至っているという。「集団間の実質的な差異の発見という避けられない未来への正しい対処は、差異があっても(集団ではなく個人に注目することで)わたしたち自身の振る舞いはそれに左右されるべきではない」と説く。

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2020年07月04日

Posted by ブクログ

凄かった。
しっかりとした検証に裏打ちされた事細かなデータを自分のような一般の人にとても分かりやすく提示してくれる。
歴史や人種を形だけなぞるよりこういう本がもっと増えることを祈りたい。
その上で、じゃあ自分は何ができるんだろうと考えさせられた。

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2020年02月10日

Posted by ブクログ

しばらく前に、ミトコンドリアイブという説が流行ったことがあった。それは、ミトコンドリアの遺伝子のみに着目した系統樹であったが、これは全DNAを対象とした人類の遺伝的変遷の研究における今日の到達点を書いたものである。
ミトコンドリアイブほど有名にならないのは、分かり易い結論を避けているためだろう。現生人類にも、若干のネアンデルタール人DNAが受け継がれているとか、単純なアフリカ起源説ーアフリカを出た現生人類の祖先がそれぞれの地域に散らばって独立して発展したーを否定するなど、それなりに影響のある説を提示している。
DNA解析による人類史の研究はまだ始まって間がなく、サンプル数も手法も限られている。ここに書かれたことが全て正しいとは言い切れないが、DNA研究が今後考古学に重大な影響を与えていくことは疑いない。著者自身が例えているように、炭素14法に匹敵する画期的な変革と言えるだろう。
この研究は、人種差別に対して、人類が皆交雑することによってできていること証明することによって打撃を与える。しかし、その一方、遺伝的に異なるエスニックグループは存在するという不都合な事実も明らかにする。
結局、知識は使い方次第なのである。

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2020年01月05日

Posted by ブクログ

旧人類と現生人類の交雑について知りたかったのだが、
ついていけなかった。
科学的な説明が難しいというではなく、
仮説を組み立てている論理展開に。

そして、自分が興味があったのは、
DNAが明らかにする人類の移動や交雑ではなく、
もっと文化的な交雑だったことに気が付いた。

カーストとジャーティという制度によって、
特定の集団内でしか結婚できなかったインドが、
遺伝学にとって重要な意味を持つのには、
ちょっと複雑な気持ちになった。
そして、アシュケナージュ系ユダヤ人社会では、
遺伝的に潜性遺伝病(以前の劣性遺伝子が引き起こす病気)を内包しているがゆえに、
高校生の遺伝子を調べてから、お見合いさせるという話にも、
複雑な気持ちになった。

また、奴隷としてアメリカ大陸に運ばれた際に、
船倉に詰め込まれ多くの人が亡くなったことは、
結果的に、
劣悪な環境でも生き残れる遺伝子を選別することになったのではないだろうか、
とふと考えてしまった。

面白かったのは、
モンゴル帝国のたった一人の男性が、
その領土内に直系の男系子孫を何百万人も残したことがわかったこと。
断言はされていないが、それはチンギスハンでしょ。

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2019年02月10日

Posted by ブクログ

ライフハックに出てきた科学者の本。
ネアンデルタール人、デニソワ人のdnaはアフリカの祖先の系統の人たち以外みな2パーセントくらい持っている。ゲノムで明らかになってきたことの最前線を教えてくれる。

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2024年10月15日

Posted by ブクログ

古代人DNAの解析から旧人類、現生人類の混ざり合いの流れが分かる。集団における人種の混ざりあいの性的バイアス(男性のDNA)、人種に残るDNAの違い等は納得できる。全般に詳しすぎて疲れた。▼P288日本人について;何万年にもわたって狩猟採集民であり、2300年前ごろにアジア本土起源の農業が始まる。斎藤成也の現代日本人のモデルは、現代朝鮮人と関連のある集団(農耕民、弥生人?)とアイヌに関連のある集団(狩猟採集民、縄文人?)の混じり合い。農耕民が80%、狩猟採集民が20%で、混じり合いの平均の時期は1600年前ごろの古墳時代。狩猟採集民と農耕民との間の社会的な障壁の打破に何百年も要した。

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2019年11月16日

Posted by ブクログ

日本では人類学、考古学は文系に属するけど、多く海外では理系に属する。データの解析、地質や年代の測定など、学際的な知識が求められるからだ。そんなわけで日本の考古学の学徒だった自分には、少々難しい内容だった。地理感がつかめず、何より方法論がよくわからない。星3つの評価は内容の問題ではなく、多分に自分の知識不足に原因があると思う。そうは言っても、古い知識をいくつかアップデートすることができたのは有益だった。性的バイアスなど、印象的な内容もあった。日本人の由来にも軽く触れられている。
本書を読んで感じたのは、とにかく人類は移動する動物なんだなということ。何か目的があったわけてはないと思う。定住革命を経てなお、本質的に人類は旅をする動物だ。遥かな祖先たちの好奇心に感謝。

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2019年09月08日

Posted by ブクログ

ネアンデルタール人のゲノムの割合がヨーロッパ人よりも東アジア人で高いことと、逆かと思っていた。

東アジアの中に日本の記述も入っている。農耕民族系と狩猟民族系が1600年前くらいに徐々に交雑したと推定しいている。そんなこと知っているよと言いたい。

遺伝子間に書き込まれた集団間の差異がどのような性質、方向性をもつか本当に見当がつかない、との作者の意見には賛成。個人をそのグループの想定上のステレオタイプで判断することが人種差別の本当の罪なのだ、と思う、という著者の判断は正しい。

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2019年07月21日

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