あらすじ
はは、生まれた瞬間からの逃亡、流浪――千年の時を超え、現代に生きる源義経が、自らの物語を語り出す。古典『義経記』が超絶文体で甦る、激烈に滑稽で悲痛な超娯楽大作小説、ここに開幕。
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Posted by ブクログ
ギケイキとは「義経記」のこと。源義経による語り下ろしというスタイルで、その生涯をファンキーに綴った快作。
続編の文庫化が待ち遠しい。
Posted by ブクログ
町田康、最高。終盤が特に面白すぎて電車で静かに読むのが辛かった。奥州平泉の秀衡と息子たちの話あたりが面白すぎる。ヒラメいいですよね、今度ヒラメパーティしましょ、からの、ヒラメ最低、ヒラメ死ね。武士とか貴族とか言っても、テキトーに調子を合わせてものすごく軽い様が、そして生き残ることへの真剣さが伝わって、なんだか可愛く思えてくる。
義経の異常な感じ、鎌倉殿の13人の菅田将暉の義経に影響したのでは?と感じる。
パンクで異常なだけかと思いきや、弁慶の来歴に心を痛め淋しさを理解するような書きぶりに、こちらも胸が痛くなる。弁慶の造形と彼を不憫に思う繊細さもある義経が良かった。
河内弁のリズムの楽しさ、弱いものの空いばり、虚勢とヘタレ具合が吉本新喜劇の文法そのままで、読んでいて心地よく楽しい。
Posted by ブクログ
地の文も会話文もリズムが良くてすらすら読めちゃう。
平安時代の雰囲気が分かりやすかった。出来事そのものよりも、何を重視していたか(寺の立ち位置や朝廷との関係)、何を気にしていたかなど。
具体的には呪術や霊威の存在が現在よりも重視されてるのが面白かった。いきなり火を吹いちゃうところとか。
Posted by ブクログ
義経記の現代語訳、というか町田康版。義経が千年の時を経て、幽霊なのかはたまたそのへんに魂が揺蕩ってるのだろうか、現代の視点から一人称で語る室町時代。とにかく古典なんて絶対読めない無知な私でもスイスイ読めたのは、いきなりハルク・ホーガンとハルク判官から始まるその突拍子のなさと独特のグルーヴ感のおかげである。
全4巻を予定しているらしいが、1巻だけでも内容が濃い。義経の出生→鞍馬寺→平氏打倒を決意し奥州へ→退屈になり京都へ戻り→弁慶と出会い→ともに兄頼朝の元へ、というのが大まかなストーリー。ここからは軍記物語らしくなっていくのだろうか。
ところで、木曽義仲は板東さんですか?町田康の天才ぷりが如何なく発揮されている。