【感想・ネタバレ】電球交換士の憂鬱のレビュー

あらすじ

十文字扉、職業「電球交換士」。節電が叫ばれLEDライトへの交換が進む昨今、仕事は多くない。それでも古き良きものにこだわる人の求めに応じ電球を交換して生計を立てていた。人々の未来を明るく灯(とも)すはずなのに……行く先々で巻き込まれる厄介ごとの数々。自分そっくりの男が巷(ちまた)で電球を交換してる? 最近俺を尾行してる黒い影はなんだ? 謎と愉快が絶妙にブレンドされた魅惑の連作集!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「それでも世界は回っている」に出てくる電球交換士、ただの新キャラクターの一人かと思ったら、巻末に「電球交換士の憂鬱」という本が紹介されており、別シリーズからの登場人物だったのかと知り、読みたくなってしまった。

結果的に、どうも微妙に違う世界線な感じがしたが、これはこれで面白かった。
最近吉田篤弘作品を良く読むのだが、なぜ好むのかよく分かってなかった。まあ、ぼんやりと癒やされるからかなとか思ってたが、この作品を読んでて気づいた。
初期の頃の、好きだった村上春樹の感じに似てるんだ。
現実とは微妙に違う、でも現実でも起きそうな少し不思議系SF、微妙に変な、でも魅力のあるキャラクターたち、エッジの効いた会話、特に大きな事件や起承転結があるわけではない、淡々としたお話。

今作は起承転結がないわけではないが、特に大きく盛り上げようという感じもなく、「はいはい、なるほどね」という感じで、ほんとに良い意味で波風を立てず、スッと読み終われて心地よかった。

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2022年03月05日

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