あらすじ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
超ロングセラー『NEW出口現代文講義の実況中継(1)~(3)』の新装版です。
第1巻は「小説・随筆の読解法」です。
現代文は、センス・感覚で解くほかはなく、いくら勉強しても学習効果が得られるとは限らないというのが従来の常識でした。
英語や、理科・社会なら、知識を詰め込めば、ある程度の点数が取れるが、現代文という教科はこの手が使えない。それならば、現代文にかける勉強時間を、英数に回した方が賢明だと、成績の上位者ほど考えがちでした。
しかし本書は、現代文を論理の教科と位置づけ、それゆえ、センス・感覚ではなく、一貫した論理的方法で解けば誰でも高得点が取れると示した伝説の参考書です。
■ 本書の利用法
君たちは,野球選手にたとえれば,打者であっても投手であっても,まずは正確なフォームを作らなければならない。本書は,そのフォーム作りに最適である。
(1)まず自力で別冊の問題を解くこと。
その際,答えではなく,どのようなプロセスで答えを導いたのかを意識する。
(2)次に,じっくりと解説を読み,本書の解き方と君たちの解き方のどこが同じで,どこが異なるのかを考える。
現代文の解き方を捕まえる段階,つまりフォーム固めの段階では,同じものを何度も繰り返すことが大切である。本書はフォーム固めのものである。それゆえ,何度も繰り返すほうが望ましい。
フォームをしっかりと固めたなら,次の練習としては,未知の文章を自力で解くことに慣れることが大切である。そのためには,新しい問題を次々こなし,練習量を豊かにするほうがよい。
その際役立つのが,『出口汪のトークで攻略 現代文(1)』 『出口汪のトークで攻略 現代文(2)』である。
(3)本書を繰り返し読むときは,解法のプロセスを再現せよ。
本書を繰り返す場合,別冊の問題だけを取り出し,頭の中で本書の解き方を再現してみること。答えだけでなく,なぜそのような答えが導き出されたのか,そのプロセスを頭の中で説明してみる。たとえ答えが合ったところで,うまく説明できないところは真に理解しているとはいえない。そこだけ,本書の解説文をじっくりと読み込む。なぜそのような答えになるのだろうと問題意識を持って読むので,解説がしっかりと頭の中に入り込むはずである。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
社会人なので受験のためではなくて、論理的な読解力を育むために読んだ。
この本で正解だった。まず問題文が読んでいて楽しい。その主張自体が読みに対する意識を変えてくれる感覚がある。また、本書の問題に取り組んで解答を読み進めれば自然と読解力が身につくという構成が自分には合っていた。
今後は次の2点を意識して、感覚に頼らない論理的な読解に励んでいきたい。
・先入観を疑い、著者の主張を重層的に読むこと
・個人言語を疑い、文脈から言葉の意味を固定すること
換言すると「前後をよく読め」になる…笑
ちなみに本書は全3作からなるシリーズ。続く2冊は応用編。本書で論理的な読解の基本となる考え方は得られたので、今のところ取り組む予定はない。気になるけど。
Posted by ブクログ
▼現代文が分かれば言語処理能力、論理力、記述力があがる。
▼読者は読者の個人言語で読み、筆者は筆者の個人言語で本を書いている。
▼筆者の意見は具体例、比喩を使って繰り返される。
▼論理的とは一度述べたことを何度も形を変えて繰り返すこと。
▼接続語、指示語に注意し、文脈で意味を捉える。
学生の受験対策だけでなく、社会人に必要な能力を養える。
Posted by ブクログ
話し言葉形式で書かれている参考書はあまり好きではなかったが、この本を読み終えてみると、自分が間違えた問題が、なぜ間違いなのか、ちゃんと理由があることが説明されていて、現代文感覚で解く以外にやり方があったんだなと気付かされた。より詳しいことを知りたくなったので、②も購入しようと思う。
Posted by ブクログ
大学受験するわけではないが、論理的思考を鍛えるための佐藤優氏のおすすめということで購入。
文章の読み解き方はもちろん、自分の考えを価値観の違う他者に伝えるために役立つ内容だと思う。
Posted by ブクログ
個人的には受験界の池上彰だと思っています。
とにかく、説明がわかりやすい。
また、説得力があります。
この実況中継を読めば、
現代文という科目は、論理力を身につける上で、
もってこいの科目だとわかります。
論理力は、どの科目でも土台となる基礎能力になります。
また、この能力は、大学生になろうが、社会人になろうが、
求められます。
十代のうちに、こういった書籍に巡り合えた人は、
幸せだと思います。
出口氏は、他にも、社会人向けや小学生向けに、
本を出されていますが、この大学受験用の書籍が、
一番コスパが良いと思います。
是非、手にとって、論理力を向上させてください。
Posted by ブクログ
池上彰、佐藤優の"僕らが毎日やっている最強の読み方"にて読解力を鍛えるためにおすすめの参考書として進められていたので購入しました。
本書は、評論文、小説、随筆それぞれについて
基本的な解法を学ぶ
問題を解く
解説を読みながら解法のポイントを学ぶ
の流れで取り組むことになります。
一周読み終わり、現代文には苦手意識は無かったのですが思ったより間違えてしまいました。
書中に”本書はフォーム固めのものである。それゆえ、何度も繰り返すほうが望ましい"とあります。
その通り何周も読破して、基本をしっかりと身に着けるという使い方をする必要があると思いました。
Posted by ブクログ
知り合いの中学生が、国語だけ点数を取れないということで、受験国語の対策の家庭教師(?)をしてあげることになったので読んでいる。本の内容以前に、普通に大学受験の問題を解けなくて、ショックを受けた。やっぱり解かなくなると解けなくなるのだなと、しみじみ感じている。
出口式は有名だが、一度も読んだことがなかったので、かなり新鮮だった。何よりも驚いたのは、想像していたよりも、すごく「普通」に読んでいること。段落番号が振ってあったら問題を先に見ておきなさいくらいのことはあるが、基本、手前から読み進めていって、傍線部のところの前後を見て、本文と矛盾のない選択肢を選ぶ。受験テクニック的な感じはなく、「論理的読解法」と銘打っているものの、割と泥臭い解き方だったんだなぁと感じた。講義の内容も、段落などの切れ目ごとに、順番に文章の伝達している内容を、かなり丁寧に追っていく形をとっている。
どのあたりが「実況中継」なのかは分からなかった。
個人的に少し目から鱗だったのは、入試小説/評論と、現実の小説/評論の違いについての説明で、筆者は、入試の文章が長い文章から「切り抜いてきた」文章であることを強調する。切り抜きであるが故に、評論の構成は、「結」「結」「結」という結論の繰り返しになるし、小説で問えることは、各場面内の「登場人物の心情」だけになるというのである。
この「切り抜く」がゆえに生じる構成の特徴があるという説明は、説明としての説得力が、すごくあった。生徒たちに説明するときにも積極的に使おうかと思う。
有名な本なので、今更どうということでもないのだが、数年ぶりに受験国語を扱う身としては、非常に勉強になる。あとは、こうした考え方をどうやって県立高校入試向けに、中学生に落としていくかだなと思う次第だった。