あらすじ
ビール、バター、地下鉄料金。需要と供給の関係なく決まる価格が日本には存在する。なかでも「0円端末販売禁止」などで印象が強く、生活と密接な関係にあるのが「携帯電話料金」だ。多くの消費者が「高止まりしている」と感じるその裏に、大きな力が関与している実態があると吉川氏は主張する。それはつまり「官製価格」だ。10年代の日本を占うキーワードとして「ガラパゴス化」を提唱、総務省有識者会議で委員を務める氏は、官製価格化こそが市場からダイナミクスを奪い、経済の停滞を招く元凶と警鐘を鳴らす。官製価格化で私たちの生活はどんな影響を受けているのか? 官製相場や官製春闘はいい結果につながっているのか? そして歪められる価格の裏にはいったい何が? 今すぐ「官製価格化」から脱却しないかぎり、日本に成長は無い!
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Posted by ブクログ
官製価格が仕向けられている具体的分野を要領よくまとめてあってすばらしい。
・ビール。国会議員の会のせいで酒税法などが改正され、小売業者の保護が図られたが、結局小売業者の首を絞めることに。
・バター
・鉄道運賃
・携帯代、電波利用料
・賃金
・株価
Posted by ブクログ
良かれと思って官製相で場形成された市場は、結果的に大きな歪みを市場にもたらすことが良く分かった。
昨年度実施されたビールの安売り規制がその最たる例だろう。ビールの店頭価格は10%程度上昇し売り上げが落ち込んだし、居酒屋も値上げせざるを得ず顧客離れを招いた。自分の中で特に心に留めておきたいのは、株式市場の官製相場である。今の株高は少なからず日銀やGPIFのおかげであることを。
唯一、希望に思えたのがマジックナンバー4を基にした携帯市場である。MNOが3社である日本に比べて、MNOが4社であるイギリスは通信費が3分の1程度である。将来、楽天が第4のMNOになることから、日本でも通信費が下がることを期待したい。