あらすじ
天才的犯罪者トム・リプリーが若き日に殺した男ディッキーの名を名乗る者から電話が来た。これはあの妙なアメリカ人夫妻の仕業か?いま過去が暴かれようとしていた……リプリーの物語、最終編。
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Posted by ブクログ
"天才犯罪者、最後の物語”
リプリーの数々の悪が暴かれ、異常な日常が崩壊する様を
目の当たりにできるのか、というわけではない。
作者が亡くなったからシリーズが終わってしまった、
というだけ。
リプリーは過去の犯罪の暴露の危機(?)に
『ジワジワ』『執拗に』追い回されて
怯えたり焦ったりするかと思いきや、鬱陶しいと
イラついたり、妙に興奮したり、解決するために
助力とを準備したり、でも日常はあくまで平穏に
普通の人として過ごしている。
過去が暴かれることより、日常が乱されることの方が
問題の様だ。
純粋で、俗で、あまりに普通なマダム・アネット
(癒し系)があってリプリーの危ういバランスは
保たれているのではないか。
そういう混沌としたギャップの世界。
それにしても・・・
『贋作』の続編的物語として成立しているが、グリーンリーフを語る電話、『太陽がいっぱい/リプリー』との繋がり(謎?)は不明確なまま(終わってしまっていないか?(永遠に)