あらすじ
家が小さければ……「物に縛られず身軽になれる。」「ローンや高い家賃に縛られず、生き方を選べる。」「過剰な消費社会から距離を置ける。」「環境負荷が少ない。」「独りの時間を大切にできる。」アメリカ、オーストラリア在住の6人のスモールハウスを例に、経済的にも精神的にも自由になれる「小さな暮らし」の魅力を伝える。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
単なるミニマリストのお話に留まらず、筆者の死生観を垣間見たように感じた。
意識してモノを削ぎ落とすのではなく排除すべきは「意図」そのものだとするフレーズにはハッとさせられた。
常にこぎ続けなければならない自転車に乗っているような現在の経済環境にあって、そこで一度自転車を降りてゆっくり景色を、空気を感じる楽しみ方を教えてもらった。
Posted by ブクログ
これも「本屋のパンセ」で紹介されていて、読んでみた本。ミニマリズム系の本は、そういえばことしの初めにも読んだけど、それとはまた少し違う印象を受けた。途中から、なんか家を小さくすれば全てよしってことなのかなぁと思い始めてしまった(けど、色々削ぎ落としてシンプルな自分から再スタートしたい気持ちはいつも持っている)けど、それに呼応するかのようなことが、最後の解説に書いてあった。スモールハウスは小さな門のようなもので、そこをくぐるときは、自分の生活や価値観に劇的な変化があるけど、それはゴールではない。そこをくぐればまた新しい日常が始まっていく、みたいなことだ。
んー、そうだよなー。
なんか私(たち)は、毎日がごちゃごちゃしすぎていて、それをシンプルに克服して、もう二度とごちゃごちゃなんてしないぞということを目指しているし、それが真理みたいに思っているけど、たぶんどうなっても迷い続けるのに毎日毎日対処するのが真理なのかもしれないなと思う。
Posted by ブクログ
まず率直な感想。建築基準とか法律とか細かいことはわかりませんが、アメリカならまだしも、地震大国の日本でセルフビルドのスモールハウスをつくって、そこで暮らすことって危険ではないのかな、と思いました。ただ、本書で紹介される6つのスモールハウスと、その住人の考え方を背景に、著者が考えるスモールハウスにおける哲学や生き方は面白く、妙に説得力があります。
私自身は家族もいて、小さな子どももいるので、スモールハウスという選択肢はないな、とは思いつつ、世の無駄な生産と消費の経済活動にある程度距離を置いて、本当に必要なもの、好きなものだけに囲まれて生きる、というスタイルには賛同します。私自身、本当に無駄なものに囲まれて生きているし、家の中にある数多くのモノを片付けたり探したりすることに無駄な時間を割いているなぁ、と最近実感しています。この本を読んで、『よし!スモールハウスを買おう!』とは思いませんが、無駄なモノの購入はやめよう!無駄な所有は放棄しよう!という断捨離的意識は更に強まった気がします。
Posted by ブクログ
この著者の本は2冊目。
「自作の小屋で暮らそう」がBライフの実践編だとすると、この本は思想編といった感じ。
海外のスモールハウスに住む人(街中で仕事を持ち暮らす人や、森の中でインフラもなく暮らす人までさまざま)が、住むことになった理由やその後の変化、それぞれに通低するものについて著者自身の考えを重ねながら紹介される。
登場人物達の共通点は(著者も含め)、資本主義/消費主義な暮らしに対して疑問を持っていることだと思う。
まじめに働き社会的承認を得つつ生活水準を上げることで達成感や生きがいや幸せを感じる人もいると思うが、一生懸命働いても承認も得られず暮らしは豊かにならず、何かをすり減らしている感覚を持ちながら暮らしている人もいる。
前者のような生活が自分に合っていて、且つ成功していればいいけど、そんな人はかなり少ないと思う(たぶん)。当たり前だけど、自分に合わない生活はしないほうがいい。
後者のような人(程度はあるだろうが)が自分の生活を変えたいと思ったとき、選択肢としてスモールハウスもあるよ。というのが本書の主な内容と思う。
スモールハウスに暮らすことがそもそも一つの暮らし方だが、小さな家に住むにあたり余計なものを限界まで減らす過程で自分が本当に好きで必要なものが見えてくるわけで、それらを見出す方法としても機能している。
必ずしも本書に載っているような小さい家に住む必要ななく、それぞれが必要なだけの大きさの家に暮らせばいい。
余計なものを排除していくことで、楽になるし納得感の高い暮らしを送ることができる。
スモールハウスに住むことを勧める本のようにも読めるが、実は余計なものを排除していく過程に重心があるように思う。
家は、現実的な暮らしの場所であると同時に自分を形成する一つの(結構大きめの)要素でもある。住む家が変われば生活が変わり、自分自身も変化する。
自分がより良く生きていくための生活のはずなのに、今の生活を維持するために余計なものを抱えながら生きているような、そんな気分を変えたい人にはなんらかのヒントになると思う。
自分自身、近々引越しを考えているので考えさせられることが多かった。
最後(第6章)に紹介されている事例は、なんだかこの社会にマッチしないなぁ、と日々感じながら生きている人にとっては感じ入る所が多い話だと思う。
Posted by ブクログ
アメリカでこんなにもスモールハウスはやっていたのか知ったが、日本ではあまり聞かないなというのが私の印象だ。
この本は、単にスモールハウスを物理的な空間として捉えているのではなく、そこでの生き方について紹介をしていた。ミニマリスト、今憧れるな、なかなか今の日本でこのような生活に切り替える事は難しいなとは思う。
Posted by ブクログ
文章のうまさに感心するが、文庫版あとがきにあるようにアメリカのライフスタイルや思想には距離を感じてしまい、「僕はなぜ小屋で暮らすようになったか」のような興奮を覚えることはなかった。最終章とあとがきの著者自身の生活や思想が垣間見える部分は面白かった。