あらすじ
全てのリスクに対応するな!
誠意を見せるな、根拠を見せろ!
アクセンチュア、PwC、IBMにてトラブルリカバリーとして13年間活躍してきたプロの仕事術!
本書は、これからの時代に必要とされる「プロジェクトデザイン力」(自分の頭で考え、答えのない難問に取り組む手法)について書かれた1冊。プロジェクトとは、「今までと違う新しいものを、限られた時間に創造すること」。その実現には、社内(外)の部門を越えたメンバーの力を発揮させるスキルが求められる。
具体的には、問題解決力、仮説検証力、ビジネス思考(ロジカル・クリティカル・ラテラルシンキング)、交渉力、リーダーシップなどの横断的なスキルである。
著者はこれまで、外資系コンサルティング会社で、数々のグローバルプロジェクトをリードし、成功を収めてきた。とくに他のコンサルタントがお手上げ、あるいは失敗したプロジェクトに「トラブルリカバリー専門家」として投入され続けた。その功績もあって、2006年にはIBMのアジアパシフィック地区の優秀リーダーシップアワードを受賞する。現在も、数々の大手企業から研修講師として招かれ、「トラブルリカバリーのプロ」として評価されている。
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Posted by ブクログ
プロジェクトを阻む4つのハードル
①ゴールが明確でない
②プロジェクト計画が非現実的、責任者の曖昧さ
③実行時の役割分担が不明確、スキル・コミュニケーション不足
④実行時の現場丸投げ、意思決定プロセスの不全
①急いでいるときほどじっくり考える。ビジョン/ゴールと目的/目標/標的/マイルストンに分解していく
GoalはSMART(Specific, measurable, achievable, Result oriented, Time bound)で定義。
本当に出来ると信じているか? と相手に問うこと
・成果の範囲を定義する(成果の形状・基準・プロセスの3要素)
・コンフリクトの3種類(認知、利害、感情)
・リスクの洗い出し(リスクは潜在的・問題は顕在的・課題は取り組む原因)
②大胆と無謀は違うので、かなり臆病に計画を立てること
最短行程とバッファは分けて管理(担当者は常にバッファ持つ)ー>メンバーが常にバッファを開示してくれることが大事
③体制構築は役割の定義(Role & Responsibility)
リーダーシップは犬ぞり。それぞれが各自の役割をもち、
インプット/プロセス/アウトプットの3要素を確認
ルールは3つまで。会議体のルールが一番効果的
④推進。結論は一晩寝かせること。
マインドフルネス。ポジティブな感情は注意や認知、行動の幅を広げる効果あり
チームビルディングはU字カーブ。混沌が来た後に秩序が訪れる。混乱期こそチャンスで、グループからチームに進化。ここでお互いの価値観やゴールの認識を合わせる。
・メンバーは4つに区分(能力×意欲)
能力低いし意欲低い:指示型
能力低いけど意欲高い:コーチ型。方針を説明し質問に答える
能力高いが意欲低い:支援型
どちらも高い:委任型
=>権限を委譲することでリーダー自身も楽になる
・決断の判断軸。新規事業は顧客価値、スピード、市場規模、投資対効果、ワクワク感
Posted by ブクログ
プロジェクト管理の基本的な考え方やノウハウについて体型的に知ることができた
参考になった点
・業務の定義を考える際にスコープ外を定めておく
・利害関係者マップを作成して、業務遂行時の関係性を整理する
・PJ遂行のための阻害リスクを把握しておく
・リスクを「発生可能性」と「影響度合い」でマッピング
・リスクが顕在化したときの対策の検討とリスク発生を防ぐための監視が必要
・各人の役割の明確化、RACI(実行・共有・相談・説明)を明らかにする
・「1W&1P」 1つのタスクは、1週間以内・1人で担当させる
Posted by ブクログ
PMとしての仕事を進め方について、これまでの経験で身に付けた自分なりのやり方はおそらく各自たくさんあるだろう。それを体系的にまとめることはできるだろうか?そのためには膨大な時間と労力が必要だ。
そして、そのやり方が本当にいいのか?悪いのか?評価することもまた難しい。
この本はPMBOKほど固くもなく、その内容に信頼性がなさそうでもなく、提示されたケースや紹介された考え方などを読みながら、自分の経験に照らし合わせることができる。
ガチガチではなく、そのくらいの柔らかさで、自分のPMとしての経験を評価し、改善をしていくという作業には良いのかもしれない。
Posted by ブクログ
## 所感
- 炎上案件解決担当の人が書いたプロマネ本。リーダーと書いてあるがPM向けの話。
- 著者の経験と昔話と例え話を元に、PJTの始まりから終わりまでのエッセンスが詰まった内容。
- 特にPMBOKにとらわれることもなく、著者の生きた知恵をそのまま詰めた感じで、自分にとって必要だと思ったところを必要なだけ抜き出せば良さそう。ステークホルダー整理はそのまま使えそう。
## 参考になりそうな箇所
- 成果物は3つの視点で。
- 成果の形状(データかシステムか売上〇円か)
- 受け入れ基準(色大きさ重さ機能デザインパフォーマンス)
- 受け入れプロセス(だれがどういつ承認するか)
- 体制
- 利害関係者は社外にもいる
- 力関係と肩書は比例しない
- 反対派にも反対派の論理があるので、見極める
- 理解が足りないだけか?
- 利害が対立していると見えるのか?
- 単なる感情か?
- 見積もり
- 手法
- トップダウン(過去の経験)
- 係数モデル(やることの積み上げ)
- ボトムアップ(より具体の詳細設計)
- 精度がどれくらいかを明確に
- コンティンジェンシー(バッファ予算)を必ず入れる
- 会社によっては必ず〇%入れる、とかルールある