あらすじ
年をとると認知症になるのは当たり前。それは病気ではなく、長寿の証なのです――。人生の最後まで、本人と家族が誇りをもって生きるために、高齢者ケアの最前線から直言する。大反響を呼んだ『欧米に寝たきり老人はいない』待望の第二弾! 「生きものはすべて目的に適うようにつくられています。認知症が進んでまわりのことがわからなくなれば、この世に対する未練や死への恐怖が薄らぎ、楽にあの世に旅立つことができます。人を含め動物が認知症になるというのは、生命を終えるうえで必要なことといえます。それなのに、昨今は認知症予防が大流行です。多くの人が認知症は予防できると信じています。努力して認知症になるのを少し先送りできたとしても、不老長寿の薬がないように認知症を防ぐ方法はありません。〔略〕認知症は予防できるという幻想を追い求めるより、年をとったらだれでも認知症になるという現実を受け入れ、認知症になった時の生き方を今から考えておくほうがよいのではないでしょうか」(はじめにより)
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Posted by ブクログ
読むべき本!
まず認知症が治らない事
老化すると当たり前の事
脳の機能低下だから
進行すると食べられなくなり
寝たきりになる事
全然知らなかった
無理に食べさせない
食べられ無くなったら
ゆるやかに亡くなる
経鼻栄養や胃ろうは辛い
医師は勧めるが
認知症の終末期では
すべきではない
こんな事を知らないと
わたしたちは
点滴や栄養でまた元気になるのではないかと
期待して、チューブにつないでしまう
医師ははっきりと
元気になるかならないか
見通しを語ってほしい
Posted by ブクログ
認知症は、長生きすればだれもが通る可能性がある道。
薬で抑えたり進行を遅らせるのには限界がある、という事実。
薬に頼らなくても、私たちにとって困った行動にも一つ一つ当事者なりの理由がある、という事実。
これらを理解するには、想像力が必要だということ。
私たちが想像力を働かせ、不安を取り除き、本人に寄り添うことで、病院や施設に安易に押し込めなくても、地域で暮らしていける可能性があるというお話。
なかなか興味深い内容でした。
認知症によって失われた部分があるとしても、すべては失っていない。できることもある。
ひとくくりに何も分からないだろう、何もできないだろうというのは、私たち認知症ではない人たちのエゴ、勝手な思い込みだということ。認知症グループホームでの取り組みや事例もとても深く考えさせられました。
その人が少しでも自分らしく生きること、一人一人を尊重することが大切だと思いました。
最後に、著者の夫による寄稿があるのですが、欧米や台湾での看取りに対する考え方、高齢者の暮らし方が、日本とはかなり違っていて、今の日本の考え方からはかなり違った政策がとられていて驚きました。
死に対する考え方が根本的に違うと感じることが多かったのですが、日本人が病院で死にたくない、と考える人が多い中、大半が病院で亡くなっている現実を踏まえると、欧米で実践されているような方法、政策なども参考に、人生最後の迎え方を考える時期に来ているのではないか、と感じました。