あらすじ
炎熱の地に臥した彼女を救ったのは、美しくも傲慢な王。
祖父の介護費用を稼ぐため、モリーはウエイトレスとして働く傍ら、ジャーリア国の大使館で王子に英語を教えていた。ある日、モリーは砂漠に囲まれた見知らぬ城で目覚める。大使館で薬物の入ったコーヒーを飲まされ、眠っている間に王子に誘拐されてしまったのだ。なんて野蛮なことをするの!ところがモリーの前に現れたのは、王子の兄の国王アズラエル。国の名誉のため、大金と引き替えに弟の犯罪を見逃せという。しかも彼女が拒絶すると幽閉されてしまった。私はどうなるの?怯えたモリーは隙を突いて逃げだすが、砂嵐に襲われて……。
■リン・グレアムの真骨頂! 傲慢な砂漠の王と無垢なウエイトレスの熱く激しいロマンスをお楽しみください。王が気まぐれに発した結婚宣言のせいで、ヒロインは妃にならざるをえなくなり……。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
面白かったです。
ヒロインがイギリスにある砂漠の国の大使館に飾ってある肖像画の中のイケメンを「ミスターゴージャス」とひそかに呼んでいますが、この物語りそのものがとてもゴージャスで素敵な恋物語りです。
ヒロインはジャーリアの国王の異父弟の英語教師を務めていましたが、まだ十代の彼に横恋慕された挙げ句、薬を飲まされて誘拐されるという事件に巻き込まれます。
衝撃的な事件から始まる物語りですが、実際には誘拐した弟はラストで出てくるだけで、殆どは少年王子の兄である国王とヒロインの話です。
弟が引き起こした誘拐事件が国際的スキャンダルになるのを恐れ、事態を内々に収拾しようとした国王に対し、ヒロインは怒りに燃えます。
傲慢で身勝手な独裁者と思いつつも、「ミスターゴージャス」こと国王に惹かれてゆくヒロイン。
そして、それは国王も同じでした。
のきさしならぬ事態により、「契約結婚」をしなければならなくなった二人でしたが-。
個性的なヒーローとヒロインがぶつかりあいながらも、次第に接近して理解しあおうとする過程にドキドキしました。
ただ、ヒーローが最初に金や権力で誘拐事件をもみ消そうとしたところは、正直、あまり共感できませんでした。
それが国王という立場からのやむを得ない措置だとしても、ヒロインが最初、彼に対して怒りを募らせ激しく反発したのも理解できるように思います。
結果としてはもちろんハッピーエンドなので、安心して読めましたが、、