あらすじ
定年後は田舎でのんびり暮らしたい、
自然も人情も豊かな田舎で子育てしたい、
農業をしながらスローライフを味わいたい…。
いま、地方移住がブームです。
中高年だけでなく、若者も、
田舎暮らしに憬れて、地方に移住する人が増えています。
新しい趣味を広げるには、田舎暮らしは最適です。
自然と生活空間との調和は豊かな心象風景をもたらしてくれます。
でも、田舎暮らしブームの陰で、語られていない現実があります。
「移住すれども定住せず」
地方に移住する人が増えている一方で、
定住することなく都会に戻ってくる人が増えているのです。
田舎の人情は、思っている以上にストレスになります。
田舎の生活は、思っている以上にお金がかかります。
住めば都──。日本ではそんな言われ方がありますが、
都会の人にとっては、住めば地獄、であることさえ少なくありません。
田舎暮らしブームにのって、
まずは飛び込んでから考えよう、なんとかなるさ、
ではあまりにリスクが大きすぎます。
最悪の状況を想定することに勝る成功への王道はありません。
地域選び、物件探し、お金、人間関係…、
これまで誰も教えてくれなかった田舎の掟を乗り越えて、
自分だけの気兼ねのない理想の暮らしを手にする方法をお教えします。
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Posted by ブクログ
良書。
子どもが大きくなる前から2拠点生活を始めて、大きくなったら自家菜園をしながら生きていきたいと思い、ここ半年、緩やかに情報収集をしていたのだけど、調べれば調べるほど、なんだか薄い霧のかかった頑丈な壁があるのを感じていた。
この本を読んで、自分の無知を恥じた。
風光明媚な農村地帯の掟の裏にある先祖代々開墾してきた土地の歴史。互助とヒエラルキーと無視の文化。
理不尽で意味不明でしかなかった文化に対する理解が進んだ。
その結果、自分の求める住処の条件や、今身につけるべきスキルが、ぐっと絞り込まれて見えてきた。
2拠点生活や移住を考えている方に強くお勧めしたい。
Posted by ブクログ
うーん、おそろしい。
ある程度は真実なんだろうなーー
都会のほうが実は金がかからないし、人間関係も楽、
というのはそうなのかも。
考えてみればおっしゃるとおりで、都会のほうが法人税も住民税も潤沢だから、都会のほうが生活費も安くすむってのはその通りなのかも。
P43 地方で自給自足をすれば都会よりも安く、かつ豊かにやっていけるの絵はないかと思うようだが、これは繰り返しても繰り返しすぎることのない、大いなる誤解である。
P67 インフラも整ったこの国で、なお残るもっとも不明な部分といえば、独特の慣習と独特の人間性、それを含んだ地域性にほかならない。
P128 移住希望者のもっとも大きな誤解が、地方は都会よりもカネがかからない、生活が安くあがる、という思い込み
P129 住民税を含めた税金は都会のほうが安く、人口の少ない地方では高くなるのが基本的な前提だ。東京23区のようなに法人税が豊富な自治体のほうが、住民税は決して高くない。
P152 田舎暮らしでもっとも高くつくのは、中途半端に収入があることではないかとさえ思えてくる。
Posted by ブクログ
田舎暮らしの負の側面に気づかせてくれる良書。
隣に住んでいる人が誰かも分からない匿名性が守られた都会でしか生活したことがないので、正直想像がつかない世界である。
やはり、移住するなら海外がよいかな。
Posted by ブクログ
テレビや地域振興課が話さない田舎暮らしのデメリットが書いてある。
田舎暮らしを検討する際には必読の一冊ではないでしょうか。
・若者は、過疎地域の貴重な税収源
・競合する店がないから、モノの値段が高止まり
・ムラ社会の文化に辟易する新参者多数
など、最悪を想定して移住する必要があると再確認できた。
労力と時間を割いてムラ社会に溶け込み、人との濃い関わりの中で生きていけるかが、楽しく田舎暮らしを送るための鍵
Posted by ブクログ
『田舎暮らしの教科書』の名に恥じない内容。
田舎暮らしのデメリットにきちんと焦点を当てた内容になっており、『田舎暮らししたい…』と言っている人にはオススメできる。
Posted by ブクログ
実際に移住した私が読んでみましたが…
多分、これを読んでたら田舎暮らしが怖くなりそうなくらい(笑)、最悪な田舎暮らしを想定した内容になっているように思います。
実際にこの本に書いてあるようなばかりの田舎ではないですが、かといって、全くあり得ないかと言ったらそれも否定はできません。
田舎移住や田舎暮らしへの憧れが行動へと突き動かすので、憧れだけでの移住もありですが、それでも最悪の想定をされたこの田舎暮らしの教科書を一読しておいても良いのかなと個人的には感じました。
田舎暮らし憧れさんにはおススメです(笑)
Posted by ブクログ
田舎暮らしの幻想を打ち砕く名著。何となく予感していたが、ここまでしっかり書き込まれると田舎移住の厳しさ怖さをリアルに感じる。先祖代々、集落で助け合いながら山を切り開き田畑を作り守り生活をつないできた地元の人たちの視点で考えると、この本の通りと想像ができる。「先祖の時代から苦労を重ねて今を築いたのに、美味しいところだけ都会からの移住者に持っていかれるなんて許せない」という感情だ。地方自治体も移住者を税金と無償の労働力を提供してくれる財源とみている。年金暮らしの人や低所得層は地元に大勢いるので、これ以上増えて欲しくない。欲しいのは優良な納税者なのだ。健康保険料が東京の5倍とは驚きだ。なぜ田舎が過疎になるのかも本書から読み解ける。先祖からの人間関係上下関係が連綿と続いていて、地元に生まれた子供でさえもその呪縛から逃れるには外へ出るしか無いのだろう。これでは誰もいなくなってもやむを得ない。田舎暮らしへの憧れは都会に住む者の勝手な思い込みに過ぎないのだ。今気づいてよかった。
Posted by ブクログ
まず飛び込んでみよう、なんとかなるさ、ではリスクが大きすぎる。
高速のサービスエリアにあるマップがおススメ。
旧街道沿いは人や地域が新しいものに慣れている。
住職と駐在さんに地域の話を聞くと良い。
ガソリンスタンドは冬に灯油を配るので、冬の過ごしやすい場所を知っている。
Posted by ブクログ
田舎の閉塞感から移住を検討しているが、日本にこんなムラ社会の地域が存在するなんてTVドラマ『トリック』のようだ。TVの田舎暮らし番組が良い一面だけを映しているという主張は首肯できる。地元で暮らすと見えない民度。しかし、住民のクレームに多く接すると全体の民度を否が応でも感じてしまう。イジュラーとして無駄な固定資産を持たず、移住地に行き詰まったら別天地へ移住する生活が理想。本書の移住先物件販売で秋以降が狙い目との記述があるが、固定資産税の基準月である1月1日現在前の物件購入(所有権移転)がベストなのだと思う。
Posted by ブクログ
田舎での暮らし方の指南本というより、田舎文化の説明を書いたような内容。
情報や人の流動性が高い都会部とは異なり、田舎社会は地政上で閉鎖的な部分もあり文化や認識のブラッシュアップがうまく行かず内向的になりやすい。
それを知らず、メディアが田舎暮らしの良いところばかりを切り取りとった情報を鵜呑みにして移住すると、カルチャーのギャップにやられてしまい、わざわざ移住したのに元の生活へ戻すしかなくなってしまう。
田舎に限らず移住となると、どうしても交通の便やスーパーなどのハード面を見がちであるが、その土地の文化や風習などのソフト面も確認しておかなければいけないということが一つの学びではないかと感じる。
また、情報は自分の足で稼ぐものであり、どうしても事前の情報収集は面倒くさくサボってしまいがちではあるが、その後に続く苦労を考えると、先に汗をかいていても損はないのではないかと感じた。
Posted by ブクログ
田舎暮らしの良いところだけではなく、悪いところも書いてある本。個人的には村付き合いやしきたりなどが面倒くさそうで定住はあきらめられた。好きなところに好きなとこに行くような週末移住などがよさそうだと認識できた。
Posted by ブクログ
田舎暮らしに憧れるなら、一回賃貸で暮らしてみな。地域内での役割とか、お付き合いとか、今の住居からの距離とか充分に考えて!という参考になりそうなお話(全て読んでいないが)
Posted by ブクログ
リアルな部分も多く感じる。
でもちょっと大げさな物言いと感じることも。
田舎の暮らしは、都会暮らしから見た感じのように
のんびりしたものではない。
都会暮らしでは考えられないような、ルールや習慣、
強いられる雑務が目白押しだ。
勝手に作り上げた理想が実現しなかったとしても
それは自己責任以外の何物でもなく、
ただ単に価値観や生活そのものが違うのだ。
海外に行って日本の価値観や習慣が通用しないのと
なんの違いもない。
傷つくことも、失望もあるだろう。
そしてそれは、田舎に暮らす人が都会に魅る幻想とも似ている。東京のイメージを勝手に作り上げ、失望し罵られる
ことだってあるのだから。
都会が与えてくれない安らぎを都会に住む人に向けて
責め立てたところで、誰も手を差し伸べない。
その溝を埋めるのは、自分と違う者への共感と想像力。
そして、知ろうとする歩み寄る心があるか、ないかではないか。