あらすじ
仮想通貨、投資信託、不動産投資、年金、そして銀行……
「中流喰い」ビジネスに騙されるな!
「老後の不安」が資産設計を壊す!
「一億総転落社会」を生き抜く経済知識
■あなたの預貯金を蝕む金融業界の戦略に迫る
アベノミクスによって弱肉強食の時代となり、「勝ち組」「負け組」に二分化され、「中流」が消滅すると言われて久しい。それは、一部の勝ち組以外は「下流」に転落し、老後の生活が保障されないことを意味する。その不安を狙い、銀行や証券会社はさまざまな金融商品をしかけてくる。最近、問題となっている仮想通貨も、将来不安に駆られた国民を騙すビジネスモデルと言える。数々のスクープを飛ばした経済ジャーナリストが、「危ない金融商品」の落とし穴を解説し、老後の生活を豊かにするために必要な知識を指南する。
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Posted by ブクログ
著者はジャーナリスト、須田慎一郎氏。
フィールドワークの幅は広く、本書でもセレブ地帯から大阪西成の釜ヶ崎地区まで人々の生活を対比しながら、危険な金融・投資商品に警鐘をならしつつ、家計を守る資産運用を勧めている。
ポイントは以下3点。
①年金は老後の生活を支えるベストな商品。
②銀行はかつての銀行とは違う。銀行自身の利益を優先する。銀行が勧めるからといって、信用してはいけない(投資型年金商品、不動産投資など)。
③債券投資、とりわけ米国債投資が最も望ましい資産運用。
これだけだと面白みの無いアドバイスになるが、アパート投資の失敗例や旧三菱銀行の変額保険問題などを交えて、”うまい話は無い”と説得力をもって伝える。
不思議に思ったのは、日経ミニ先物の進め。「1日1万円儲かったら、やめる」という投資法を進めているところ(110ページ)。例えば「1日1万円損したら、やめる」というアドバイスはなく、この部分だけ疑問あり、これがなければ星5つ。
投資について友人、知人から聞かれたら、おすすめしたい本の1冊。