あらすじ
守るものができた時、人はまた強くなる。
何者かに毒矢で射られたあと魔力を失ったイレーナ。いまだ力は戻らず、その原因も解明できないまま試練の時が続いていた。そんななか、長年苦楽をともにしてきたヴァレクと最高司令官の間の溝はいよいよ決定的に。ヴァレクは苦悩の末、ついにある大きな決断を下す――。交錯する思惑と、その裏で蠢く陰謀……怒涛の展開でクライマックスに向け加速する、〈霊魂の探しびと篇〉第2幕!
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Posted by ブクログ
毒見師イレーナの五作目。
前作のラストで妊娠を疑っていたイレーナだが、
現実のものとなった。
しかも、それはオノーラが妊娠を狙って避妊薬を打ち消す薬を
打込んだ結果だった。
最高司令官が、ヴァレクと同じようにオノーラの胸に、
自分の頭文字を刻み忠誠を誓わせていたことや、
ヴァレクの忠誠を疑っていること、
さらには死刑にしたはずの魔術師を客として受け入れていたことで、
ヴァレクは忠誠を捨て、イレーナに結婚を申し込む。
イレーナがシティアに戻り議会を薬で牛耳る「結社」と闘う一方、
ヴァレクは嵐の盗賊団の捜査を命じられていた。
その捜査で水を操る姉と嵐を呼ぶ弟の魔術師に出会うが、
実は自分の妹と弟であり、自分の両親のもとに帰ることとなる。
さらには兄たちの死を受け入れたことによって、魔力を得る。
イレーナが魔力を失い、ヴァレクが得ることになるとは。
最後に、
ヴァレクがふたりのこどものために未来を築くと言ったときに、
イレーナが全てのこどものために、と言い直したのが感動的だった。