あらすじ
青子ちゃんは若い人には珍しく『自分の文体』を持っています。これはけっこうすごいことです。どうして、若くして自分の文体を手に入れたのか。実は僕にもよくわからないんです。でも、すごい。――内田樹
齢31にして英語の海に飛び込んだ!
異文化と出会い、かけがえのない経験をした2年間の記録。
内田樹さんとの往復書簡付き
私はひょんなことから、この誰も知らないアメリカのウィスコンシン州マディソンで旦那さんと二人、暮らすことになった。2015年から2017年の2年間、アメリカがオバマ政権からトランプ政権へと変わり、アメリカそのものが歴史的な変貌を遂げようとしている、ちょうどそんな頃のアメリカ滞在だった。 (「はじめに」より)
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Posted by ブクログ
おもしろくて楽しくて、読み始めると止まらず、イッキ読みしてしまった。残念~。ゆっくり読んでいたかった。
この本の魅力は、ひとえに、著者の人柄によるものでしょう。
素直で気取ったところがなくて、まるで自分の友達の一人みたいに親しみを感じるのに、実はすごくガッツがあって、しかも引き出しが多い!(=ポテンシャル高い)
ソビエト映画になんでそんなに詳しいのか。(笑)
語学学校についてのエッセイ、って、ハッキリ言って「つまらなさそうなテーマ」なのに、読んでみると初めて聞く話がけっこうあって、おもしろいだけじゃなく、勉強にもなった。
特にサウジアラビアの情報などは日本ではなかなか聞かないので、交流エピソードのすべてが興味深い。本田勝一の「アラビア遊牧民」を読んで以来、ずっと更新されていなかった私の中のアラブ系のイメージ(古っ!!)がやっと新しくなって良かった。
っていうか、この本で知った「アラブ人たちの交友関係のステレオタイプ」=『瞬時に形成され、可能な限りポジティブな返答をエチケットとし、プライバシーという言葉はない』って、実は超重要情報かもしれない。知らずに近所づきあいとかすることになったら、めちゃくちゃとまどう。
「ステレオタイプ」って悪い文脈で語られることも多いけど、知識としては必要なんだな、などと改めて思ったりもした。
本の中で一番印象的だったのは、カザフスタンのアディルの話。
ソビエト映画の話をしたら、「僕の国だよ」と突然、興奮気味に話を続けたというところ。
ご両親とぜひ話をしてほしかったなと思う。いきなりスターリンの話をするつもりだったことにはちょっとビックリしたけど、どうせなら聞いてみてほしかったな。映画がらみなら、変じゃないかも。
ソビエト映画のことなんて何も知らない私には絶対に起こりえない展開で、すてき、と思うと同時に、結局、話はできなかったので、とても残念だった。
地球にはいろんな国があって、いろんな人がいて楽しい、と素直にごく単純にポジティブに感じられる本でした。
うん、世界平和への一歩は、何はさておき、この感覚から始まると思う!