あらすじ
徒歩旅行の途中、果樹園のある農場に宿を求めたロンドンの学生アシャースト。彼はそこに暮らす可憐な少女、ミーガンに心を奪われる。月の夜、白い花を咲かせる林檎の樹の下でお互いの愛を確かめ合った二人は、結婚の約束をする。だが旅立ちの準備で町へ出たアシャーストを待っていた運命は――。自然の美と神秘、恋の陶酔と歓び、そして青春の残酷さが流麗な文章で綴られる永遠のラブストーリー。
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Posted by ブクログ
儚い水彩画のような情景
英国紳士にとって純潔や階級意識というのがどれほど重要なのか、理解しきれない部分があるが、当時の恋愛と結婚の性質の違いを微妙に感じ取ることができた。
個人的にはアシャーストとミーガンの恋が成就してほしいと思ったけれど、現実的な問題を乗り越えられる覚悟や気持ちが彼にはそこまで無かったのかもしれない。そしてまたそれらの気持ちの移ろいが完全に悪というわけでもなく、自然な流れなんだろうと感じた。
この時の淡い気持ちがステラとの銀婚式を迎えても鮮明に記憶されているというのが不思議で、現在幸せなはずなのに、あの頃の満たされなかった欲求を追い求めてしまうのが何とも言い表しづらい人間味を感じた。