あらすじ
「我が職掌はただクロカネの道作りに候」リニア中央新幹線などに代表される鉄道技術大国・日本は、この男に始まる! 鉄道(クロカネの道)を日本へ――。幕末、伊藤博文や井上馨らとともに、長州ファイブの一人として国禁を犯して英国へ渡航。伊藤らが政治の世界を突き進むなか、ひたすら鉄道敷設に人生を捧げた男、井上勝。鉄道の敷設権を要求するアメリカの主張を退け、さまざまな反対の声にも粘り強く交渉し、ついには日本人のみによる鉄道敷設を成し遂げ、日本の「鉄道の父」と呼ばれた男の生涯を感動的に描いた長編小説。
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Posted by ブクログ
2018.07.13
明治維新の頃だとすぐに政治に意識が向くけど、こういう人が居たんだと感心した。「高島」のいわれが材木商だとは。井上勝、大先輩に感謝。
Posted by ブクログ
幕末、伊藤博文らと密航してロンドンで学んだ井上勝は、明治新政府のもとで鉄道の敷設に邁進する。日本を欧米諸国の植民地にさせないためにも、流通を活性化し国力を高めることが早急な課題として、勝の肩にのしかかる。
漱石や鴎外のように、明治になってから欧州に留学した人材は多いが、幕末にイギリスの大学で学び、その強い信念を一生貫いた姿が感動を与える。また、東洋の果てからやって来た彼らを暖かく迎え、支援したイギリス人の姿が美しく描かれている。