あらすじ
2018年3月19日、塔内一般公開を契機に、再び世間の耳目を集める《太陽の塔》。我が国最大の芸術作品にして最も知名度の高いパブリックアートだが、それを取り巻く数々の物語についてはほとんど知られていない。本書は、構想段階から現在にいたる太陽の塔の実相をさまざまな角度から取り上げ、単なる“巨大彫刻”との見方に終わらない《太陽の塔》の新しい鑑賞眼を養う種々の知見を提供する。岡本太郎の最高傑作はいかにして生まれたのか、万博会場でなにがあったのか、その後どんな運命をたどったのか──などを楽しく、わかりやすく解説していく。再生された内部、新規撮影のカラー口絵付き。
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Posted by ブクログ
岡本太郎を万博プロデューサーに依頼しまくった万博協会、ベラボーすぎる太陽の塔を作り上げた岡本太郎とスタッフ。そんな事が出来た羨ましい国だったんだなあ。
Posted by ブクログ
二回目の大阪万博の年、念願の太陽の塔に入ることができた。モダニズム建築の先端を行った大屋根やエキスポタワーが取り壊され、緑の公園の中に、近代に対峙した太陽の塔だが今も毅然と立ち続けていることに、感慨を感じた。できあがった制作物が作者のもとを離れ、日本人のものになった。
岡本太郎にテーマ館のプロデュースを依頼することにした、当時の通産省の役人もすごい。岡本太郎しかいないと推薦した丹下健三もすごい。岡本太郎含め、太陽の塔を実現させた当時の日本人の熱量もすごい。
なお、オリジナルの「黄金の顔」は、元鉄鋼館で展示されている。
Posted by ブクログ
「太陽の塔」に、どうして心惹かれるのか。
読んでいても、わくわくする。
どんな思いと思想とメッセージがあって作られたのか。
その当時の人たちと岡本太郎のやろうとしたことが、今の経済優先の発想とどう違うのか。
やはり、一度、内覧に行きたい。
Posted by ブクログ
「太陽の塔」万博から半世紀以上も経つのに、今でもグッズが売れている人気者。
岡本太郎氏が万博のテーマプロデューサーを引き受け、太陽の塔を完成させ、今現在まで残されることになったのかという過程が書かれていて、とても興味深かったです。
背中の「黒い太陽」は信楽焼のタイル三千枚をはり合わせて作られているのとかじっくり観てみたいし、中にも入ってみたいと思います。
岡本太郎氏は、何よりまず言葉の人だった。イメージにもなっていないものを言葉にし、文字ではない形を探し始める。スケッチがそこからはじまり、その展開を最初の言葉がリードすると。太陽の塔は「ベラボーなもの」という言葉から始まった。