【感想・ネタバレ】影の子のレビュー

あらすじ

1975年2月、東ベルリンの〈壁〉に接した墓地で、少女の死体が発見される。現場に呼び出された刑事警察の女性班長ミュラー中尉は衝撃を受ける。少女の顔面は破壊され、歯もすべて失われていたのだ。しかも現場にはいち早く国家保安省(シュタージ)のイェーガー中佐が来ており、やがて異例のことながら事件の捜査がミュラーたちに命じられる。やはり背後には何かがあるのか? 彼女の捜査は、知らず知らずのうちに国家の闇に迫っていく……冷戦時代、鉄のカーテンの向こう側の事件を描いた傑作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

70年代の東ベルリン(ドイツ民主共和国)。
実在のシュタージ(国家保安省)の中佐と、刑事警察の女性中尉が
殺人事件をめぐって互いに探り合う。
ベルリンの壁が存在し、社会主義国である東ドイツを描いた歴史ミステリ。
冷戦時代、東ドイツはもちろんのこと、
ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリーなどは
会主義国であり、
91年のソ連崩壊までは、いわゆるソ連の衛星国だった。
つまり、まだ30年くらい前、一世代前のことなんだと、
今さながら思う。
ウクライナ侵略が起こっている現在、
社会主義国特有の闇が、生々しく感じられる。

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2022年12月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1970年代の東西に分断されたドイツ。東ベルリンの刑事ミュラー。少女が殺された事件の捜査を開始するけれど圧力、疑念、不信が渦巻いていて誰かが誰かを常に監視し裏切りがあり何が正しくて正しくないのかがわからない。常に緊張した空気の中での捜査で異様な空気もある。この時代の大きなものに支配された理不尽なもの、生活が描かれている。事件の裏にあるもの、事件に関わった人が見るドイツの真実。そのどれもが残酷で悲しい。とても読み応えのある作品でこの先も翻訳されていくと嬉しい。

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2018年06月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

東西ドイツ時代を設定にしているということに興味を引かれて読んでみた。
内容は謀略の嵐で、誰も信用出来ず、今日あることが明日は激変しているかも知れないという、そんな環境で事件の真相を追うために奮闘する警察官の姿が描かれている。
現代ですら様々な謀略や陰謀に振り回され埋もれていく人がいるのだから、当時の社会主義、共産主義の国ならもっとだろう。
明らかに白であっても権力が黒だといえば黒になるし、その権力者ですら明日は権力があるかどうかは分からない。
救いはないしゴタゴタしてるし、キャラクターたちも感情移入出来ないし、全体的には好みではなかった。

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2018年09月16日

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