【感想・ネタバレ】一日の苦労は、その日だけで十分ですのレビュー

あらすじ

導かれて生きる。三浦綾子最後のエッセイ集。

人間の罪、弱さ、ゆるしを描きつづけた作家・三浦綾子が遺した愛にあふれる言葉の数々。「冬のあとに春の来ない人生もある」「人生には往々にして意地悪がひそんでいる」と書きながらも、「なるようになる。なるようにしかならない」「一日にできる仕事は、量が決まっている。明日のことは心配しない」と道を照らす。自らの病気も苦難も「すべてが神様の贈り物」であるとあるがままに受け入れ、その恵みに感謝の念をも抱く。でも、だからといって「病気に協力することはない」と、前向きに自分の人生を生きることを考える――。
深い信仰に根ざしたその生き方から浮かび上がるのは、“愛”と“感謝”と“学び”の心。大上段に振りかざすのではなく、自身のいたらなさや苦い体験にも触れながら、弱い立場の人々や道に迷う若者たちに温かいまなざしを向け続ける。その思い、時を経ても色あせない言葉は、私たちが一日一日を大切に積み重ね、より良い人生を歩むための指針となるに違いない。没後20年を前に届けられた、やさしさに満ちた最後のエッセイ集。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

三浦綾子さん(1922~1999)、16番目に沢山読んでる作家さんで、「一日の苦労は、その日だけで十分です」(2018.4)は56冊目の読書です。この本は三浦綾子記念文学館の監修です。タイトルはキリストの言葉ですね。早熟で小5で江戸時代の恋愛小説の長編をノート一冊に書いた天才三浦綾子さん。13年にわたった肺結核とカリエス、7年間は寝返りひとつできないギプスベッドの仰臥の生活。療養8年目に出会い、その5年後、37歳で、35歳の三浦光世と結婚。朝から晩まで一緒、一緒でないのは銭湯とトイレだけ。壮絶かつ充実の人生と思います。

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2019年10月06日

Posted by ブクログ

木内綾さん
「流氷」の優佳良織を織るために実際に流氷を見に行き、ずっと立ち尽くす話
福井達雨さん
 止揚学園の園長。「ためにでなく共に生きる」大学生の時に影響を受けた人と三浦さんがつながっていた喜び。
アンネの日記
 人間は気高く慈悲深く
 善良であれ
 ただこれだけが
 私たちの知っているすべての存在と
 人間とを区別するものだから
アンネの姉マルゴットのノートより ゲーテの言葉

今日を命日だと思って生きよう!
 

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2023年05月04日

Posted by ブクログ

本のタイトルと中身は別。
あちこちで語っていた内容などがまとめられた本。

してほしいより与えること。
共に生きること。
本当の一期一会とは。
み心のままに。

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2022年11月25日

Posted by ブクログ

障害を持つ人たちに対し、かわいそうだからと彼らのために何かをしてやろうというのではダメだ。共に生きることが大切なのだ。ために、ではなく、共に生きよ、と言うのだ。
日本人には、愛というものの本質が非常に少なくて、同情という領域が非常に強い、という。

結婚というものは、相手も自分のいく方向に歩いていく人としなければならないと思う。だから、二人の目的は一つであるということだ。その人にとって1番大切なことが芸術であるなら、相手の人もやはり芸術に理解があり、大切にする人でなければ、結果は火を見るより明らかということになるのではないか。結婚は、その人の人生の目的が相手の人と合致した時に最もよくいくとおもう。生きる目的を持つということは、自分の人生を主体的に生きるということだ。だから、結婚は自己の確立している大人同士がするべきものだ。夫婦はお互いに成長していくものだ。そして相手を大切にし、尊重し合える夫婦でありたいものだ。

人間はあまりにも相手にのみ要求することが多い。それが特に家庭という何もかもあらわに見せ合う生活においては著しくなるのではないか。妻は私の気持ちを理解してくれない、子供は私の苦労をわかってくれない。姑は優しい口をきいてはくれない。夫はこうしてほしい。子供はああしてほしい。くれない、ほしい、という要求は、つまり、不満と期待だけではないか。多くの虚しさは、この生き方から発生すると言っても過言ではない。ああしてほしい、こうしてほしい、というのではなく、ああしてあげたい、こうしてあげたい、という姿勢で生きるのが良いのではないか。その姿勢こそが、虚しさを克服するのではないか。与うるは受くるより幸いなり、の聖句は真理である。かく生きる時、真の協力関係も生み出されるのではないか。

愛されている実感、必要とされている実感、そう言ったものから希望が生まれ、不思議な力がでてくる。愛とか希望とかを忘れてはいけない。人間は一人では生きていけないのだから。近くにある愛や希望を見落としたり、見失ったりしてはいけない。

神は使命のある限り生かしておいてくださる。つまり、生きているということは、あなたでなければできない使命があるということだ。

物を贈るというのは心を贈るということなのだ。物が少し気に入らなくても、贈る人の心を受け取るなら、間違っても不服などは言えないはずなのだ。

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2022年11月01日

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