【感想・ネタバレ】さよなら、わるい夢たちのレビュー

あらすじ

ジャーナリストの菜摘は、親友の麻衣亜が幼い息子とともに家庭を捨てたとSNSで知る。夫も、両親も、友人も心当たりがないというが、彼らはみな麻衣亜を失踪に駆り立てる要因を持っていた……。『黒猫シリーズ』『偽恋愛小説家』著者の新境地ミステリー。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

不幸を寄せ集めるタイプ、いる。
そして同情は対価を要求するっていうのが、すごく身につまされる。
私多分やったことある、覚えもある。
意識的か無意識的かは関係なくこれは結構やってしまうことだなあ……ラストのウェイもいつかこうならないといいけれど。

読後も重たい感じが残る。
こういった毒々しい社会から脱却して欲しいと願っている。けど社会に存在する人間として人と関わる以上、私も悪夢を作っている一端であることはきっとやめられない。

いつでも自分の味方をしてくれる人間なんておそらく存在しないので、菜摘さんはいつその理想に折り合いをつけるのか。それとも理想を持って一人で生きるのか。ちょっときになる。

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2019年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一気に読んでぼんやりしている。
待機児童問題や、セクハラ問題や、人々の無関心が生み出すもの。田舎の人間関係。とても身近なものばかりで、背中がざわざわする。
例えば性差の問題。違和感を感じることはあるけれど、具体的に言葉にするのは難しい。そんなもの関係なく話をしているのに「女だから」「男のひとはこう」と言われると、なんだかどうでもよくなってしまう、なんてこともあるなあ。
でも、そういう感覚をなかったことにしたり、蓋をしてしまってはいけないのだ。そうやって無関心になることがいちばんダメなのだなあ、と思わされた。

「保守的なフェミニスト」って意味がよくわからないんだが、それはフェミニストというのだろうか。

結局、最後に依るものは自分しかなくて、何を信じるかも何を守るのかも自分で決めるもの。
「人に頼るな」という麻衣亜の母親の教えは、それほど悪いものでもない気がする。

麻衣亜にとって現実は悪い夢だったとして、辿り着いた場所もやはり夢の中のように思える。それでも、自分で決めて自分で選び取ったもの、ということに意味があるのだろう。

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2019年06月26日

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