【感想・ネタバレ】源氏物語の教え ──もし紫式部があなたの家庭教師だったらのレビュー

あらすじ

シングルマザー紫式部が中宮彰子の家庭教師となり、宮中サロンを盛り立てるために書いた源氏物語。そこには、女子が幸せをつかむにはどうしたらいいのか、自身の苦い思いと経験と、そして知恵が詰まっている。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

大塚ひかりさんの独特の視点で書かれた
源氏物語を実用書として読むとどうなるか。
とても面白い!

まず、源氏物語の時代には
有力な実家の後ろ盾のない貧しい女性には厳しい社会で
ブスは言うまでもなく、美人でも貧しければ
人間扱いされない、と指摘する。
だが、そんな環境でも、自分らしさを保てば
ブスで貧しくても、生きられることもあるという。
末摘花などがその例。

一方、経済的に豊かで、美人なら、
きちんとした扱いは受けるものの
受け身で愛されるだけの女性(=なめられる女)は
死ぬ運命にある、という。
例えば、桐壺の更衣のように。

そして、宇治十帖はダメ女たちの物語で、
特に浮舟は、貧しくて、特に取り柄もないという
最下層の超ダメヒロイン。
その超ダメヒロインが自分の気持ちに気づき、
自立に目覚めていくというのが、ラストシーン。
このきっぱりした語り口には、感動した。
は~、なるほど!

ちなみに、源氏物語の中で最強の女は藤壺、という
鋭い指摘。
この人は桐壺に似ているというものの、
人柄は全く似ていない。
全然なよなよしたところはない!
むしろ、不義の子を産むというものすごい大罪を犯しながら、
しれっとその子を皇位につけることを考え、
その実現のためには、不屈の意志で、
自分も、かの光源氏もコントロールするというツワモノ。
この視点で読むと、ホント、藤壺ってすごい女性。
ホント、最強!
やわなイケメン光源氏の敵ではない、って感じ。

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2023年05月03日

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