【感想・ネタバレ】サイモン、船に乗るのレビュー

あらすじ

ねぇ、知ってる? ぼくには命が九つあるんだよ。
いいことばかりで、すべては魔法なんだ――

イギリス海軍を救い、勲章を授与された勇敢な子猫の物語!

ひょんなことから英国軍艦アメジスト号に乗り込んだ野良猫、サイモン。
愛くるしい「ハチワレ模様」の子猫は三等水兵に任命され、瞬く間に船員たちのアイドルになる。
やがて戦局は混迷を極め、疲弊していく水兵たちの希望のかがり火として、奮闘するサイモンだったが……。
船乗り猫サイモンの一人称で綴られる、美しくて切ないストーリー。

カバー挿絵は『夜廻り猫』の深谷かほるさん!


【本書の登場動物】

サイモン
主人公。白黒のハチワレ模様の野良猫。香港でイギリス海軍艦アメジスト号の水兵に拾われ、冒険の船旅に出る。
ジョジョ
サイモンの兄猫。サイモンからとても慕われている。
Uボート
サイモンの友達。海の冒険についていろいろと教えてくれる先輩猫。「Uボート」は元々ドイツ軍の潜水艦の名称。
チェアマン
大きな体と緑色の隻眼(せきがん)を持つ灰色の猫。サイモンたちと敵対する。
リレット
サイモンが思いを寄せる香港の美しい子猫。

ペギー
茶色と白の毛並みのテリア犬。アメジスト号に乗るサイモンの相棒。

モータクトー
アメジスト号に住みつくネズミたちのリーダー。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

白黒猫サイモンの成長譚であり、揚子江事件(アメジスト号事件の話でもある。
中国からの砲撃をくらい、死傷者もたくさんいて、食料も燃料も減っていくなか、逃げることができずに100日間も揚子江に放置されたアメジスト号。子供と言ってよい年齢の若い船員達はどれほど不安でどれほど恐ろしかっただろうか。猫のサイモンが、どれほど皆の心を勇気づけただろうか。そりゃ勲章に値するよ。

サイモンが子猫なこともあって、猫のことを、知ってる猫も知らない猫もすべてひっくるめて、「ぼく」と表現するんだけど、猫宇宙とか猫曼荼羅という、全ての猫は一であり全であり、また全であり一である、みたいな概念に近くてよかった。全ての猫は過去も未来も西も東もどこかで繋がっているもんね。
それでいて、サイモンとペギーにはいつも「いま」しかないのっていうのも動物らしい表現でよかった。

0
2025年04月27日

Posted by ブクログ

第二次大戦後の英国海軍の軍艦アメジスト号でネズミの駆除のために乗船を許可されていた猫のサイモン。実在していたサイモンをモデルに、アメジスト号をピンチから救い、表彰までされた過程を猫の目線で読ませてくれます。フィクションですとかかれているが、実際の写真があってノンフィクション気分で読める。

それにしても英国って、郵便局に猫がいたりロンドン塔にカラスがいたり。ユーモアあるというか余裕を感じる。

0
2018年11月28日

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