【感想・ネタバレ】横溝正史翻訳コレクション 鍾乳洞殺人事件/二輪馬車の秘密のレビュー

あらすじ

横溝正史は、一流の翻訳者でもあった。雑誌「新青年」編集長時代から積極的に海外作品を自ら翻訳し、紹介しつづけた正史。本書では、これまであまり触れられることのなかった翻訳者・横溝の業績に光を当てる。
「八つ墓村」ほか、一連の創作の発想源ともなったウィップルの「鐘乳洞殺人事件」、19世紀末の一大ベストセラーとして名高いヒュームの「二輪馬車の秘密」の二長篇を収録。後者では、単行本版と結末の異なる雑誌掲載版も併録した。時を経てなお古びない正史の闊達な訳文の妙を、ぜひご堪能あれ。

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Posted by ブクログ

翻訳、文体というものの影響の大きさを考えさせてくれる一冊です。作者の違う二作品を翻訳しているのですが、漂うものは横溝作品の華麗さと妖気です。

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2013年09月04日

Posted by ブクログ

『鍾乳洞殺人事件』
発見された鍾乳洞で起きた連続殺人事件。鍾乳洞の持ち主が殺害され、第二の被害者が残した「彼が私を殺した。M」と言うダイイングメッセージ。

『二輪馬車の秘密』
オーストラリでおきた殺人事件。馬車に乗せた酔っ払い、彼を介抱する見知らぬ男、そして殺害された酔っ払いの男。
事件に隠された富豪の結婚の秘密。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

横溝正史が翻訳した、D.K. ウィップル「鍾乳洞殺人事件」、ファーガス ヒューム「二輪馬車の秘密」の2編を収録。
時代的にはホームズの「朱色の研究」ぐらいと同年代の作品らしいのですが、古典の名作ですね。さすが正史が翻訳しただけあって、非常に読みやすくまとまっていて、翻訳が苦手な人にもお勧めできそう。
解説を読んでみると、原著から、かなり正史が削ったり手を加えているところがあるらしく、正史の文章力・構成力って凄いと改めて感心。

鍾乳洞殺人事件は、八つ墓村の発想の元になる影響を与える作品となったらしく、確かに洞窟内で起きる殺人事件は魅力的でした。

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2011年04月13日

Posted by ブクログ

「横溝正史翻訳コレクション」横溝正史:扶桑社

「鍾乳洞殺人事件」と「二輪馬車の秘密」の2編を収めた、
横溝正史が手がけた翻訳小説集。
「鍾乳洞〜」は昭和7年に『探偵小説』に掲載。
原作者はD.K.ウィップル。
「二輪馬車の〜」は同じく昭和7年『探偵小説』に掲載した稿。
しかしこれには終盤を大胆に刈り込んだ『新青年』掲載の稿があり、
今回付録として載せられている。
紙面の都合かかなり大雑把に改編してあり、
出版時の都合から苦心したことが感じられる。
ともに本格派の佳作であり楽しめました。

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2009年10月04日

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