あらすじ
長大かつ不可思議な記述や繰り返しが多い法華経が、初心者から読めてよくわかる! 口語訳や原典訳だけではつかみきれない、日本の仏教文化が依拠してきた漢訳経典のもつ霊的なイメージ、祭儀で唱えられる言葉の響きや意味を重視しつつ圧縮して現代語訳。読解を助ける見出しとともに、解説コラムや事典も充実。和歌や物語等にも数多く現れ、日本の歴史文化に深く浸透する法華三部経全十巻を理解し、体感し、読み通すための決定版。
はじめに 法華経をどう読むか
法華経のプロローグ[開経]無量義経
第一部 山上の集会
第二部 天空の集会
第三部 地上の集会
法華経のエピローグ[結経]観普賢菩薩行法経
法華経の小事典
※本書は、二〇〇一年三月に株式会社学習研究社から発行された『[図説]法華経大全』を大幅に加筆修正し、改題のうえ文庫化したものが底本です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
仏教の伝道は教えを受ける側に即して教えてこそ仏陀であるとの観念があることを反映してか、仏典には根本となる教えの他にありとあらゆるディティールが加えられている。法華経は、その成立の舞台となった王国の繁栄を反映してか、多彩な物質的繁栄のきらきらしい記述が多数あり、多くの人々を魅了してきた。日本に関連する仏教徒に限っても、聖徳太子、最澄、道元、後白河天皇等々歴々の仏教徒らがおのおのの仕方で仏陀の教えを広めてきたのである。その展開のそれぞれを垣間見ることができるよくまとまった入門書である。
Posted by ブクログ
馬鹿を承知で言うと、大乗、小乗の対立を止揚して、万人平等の教えを説くって、ところまではよいけど、では、結局従うべき「法」って何なのか?って思ってしまう。
数学の授業で先生が、導入として「数学の楽しさ、素晴らしさは誰にでも開かれています。決して一部の理系の人のためのものではないし、受験のためのものでもないのです。老若男女誰も、数学を学んで楽しさを味わうことができて人生を豊かにしてくれます。」とか言えば、興味を引かれて授業を聴く気になる生徒もいるかもしれません。
しかし、更に「いかに数学が素晴らしく、楽しいものであるかはとても言い尽くせません。数学の道は世界に開けていて・・・」と続けたら、興味を持った真面目な生徒は「先生、数学が魅力的なのはわかりましたから、授業をはじめてください。」と言うのではあるまいか。