あらすじ
その力、使えばおのれが滅び、使わねば国が滅びよう。それが創石師ナイトゥルにかけられた呪い。人の感情から石を創るたぐい稀な才をもつがゆえに、故国を滅ぼし家族や許婚を殺した憎い敵に、ひとり仕えることになったナイトゥル。憎しみすら失い、生きる気力もなくしていた彼は、言われるまま自らの命を削る創石師の仕事をしていた。そんなある日、怪我人の傷から取り出した黒い水晶が、彼に不思議な幻を見せる。見知らぬ国の見知らぬ人々、そこには有翼獅子(グリフォリス)が……。〈オーリエラントの魔道師〉シリーズで人気の著者が描く、壮大なファンタジー。/解説=卯月鮎
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Posted by ブクログ
すごい良かった……
感情の渦が主人公の中で纏めあげられていく表現の言葉の奔流がすごい。
憎しみ、嫉妬とかの負の感情、欲望を全て纏めて飲み込んだ成長?というか進化?の果てに自分の望みを叶えて、己の幸せを手にした主人公。全てを自分の力で掴んだわけじゃなくてなんか色々重なったけど、最後の最後は我を押し通した肝の強さにスカッとした。
全てを運命に委ねる悟りの境地から、欲望を携えて帰ってくる姿に、人間臭さを感じた。
とにかくトリエリエとヒスタルサが最後まで生きてて良かった!
Posted by ブクログ
新しいシリーズ。
創石師のナイトウェルには、使えばおのれが滅ぶ、使わねば国が滅びよう、という呪いがかけれている。
人の感情から石をつくる希な才を持った彼は、それ故に、故国、家族、許嫁を殺された。
殺した仇に仕えることになったナイトウェルは、ある日、怪我人の傷口から取り出した黒水晶に、まぼろしを見せられるようになって。
世界観や主人公の置かれた位置か面白い。呪いのせいて力を使うことによって、命を削ってゆくためか、前半の投げやりな所か切ない。
後半、謎が解けてきてから、物語の展開がさらに加速して面白くなってゆく。
この新しい世界での物語の続きがあるようなので楽しみ。