あらすじ
幕末・維新期を例外として、明治史について、一般向けに専門研究が紹介されることは多くない。だが、学界においては、明治時代全般にわたる研究が近年も着実に進められている。そこで、信頼できる研究を積み重ねる若手・中堅の実証史家の知を結集。20のテーマで明治史研究の論点を提示し、旧態依然とした過去の歴史観に縛られず、また実証性のない偏った見方にも左右されない、歴史研究の確かな最前線を提示する。続刊『明治史講義【人物篇】』とあわせての明治150年記念出版。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章 開国と尊王攘夷運動~国是の模索
第2章 幕末雄藩と公議政体論~「公議」の運動から見る幕末政治
第3章 王政復古と維新政府~せめぎあう維新官僚と諸藩
第4章 廃藩置県・秩禄処分~分権から集権へ
第5章 陸海軍の創設~徴兵制の選択と統帥権の独立
第6章 明治前期の国家と神社・宗教~神社がしゅうきょうでなかったのはなぜか
第7章 万国公法と台湾出兵~新しい国際秩序への一階梯
第8章 自由民権運動と藩閥政府~板垣遭難と民権運動の展開
第9章 西南戦争と新技術~海軍・汽船・熊本城籠城
第10章 明治十四年の政変~大隈重信はなぜ追放されたか
第11章 内閣制度の創設と皇室制度~伊藤博文のプランニングの再検討
第12章 大日本帝国憲法~政治制度の設計とその自律
第13章 帝国議会の開幕~衆議院の「民党」と「吏党」
第14章 貴族院の華族と勅任議員~創設の理念と初期の政治会派
第15章 条約改正問題~不平等条約の改正と国家の独立
第16章 日清戦争~日本と東アジアの転機
第17章 日英同盟と日露戦争~最初の帝国主義戦争
第18章 植民地経営の開始~統治形態の模索と立憲主義
第19章 桂園時代~議会政治の定着と「妥協」
第20章 大正政変~政界再編成における内外要因
<内容>
ちくま新書が精力的に出している近現代史シリーズの明治版。「テーマ篇」と来ているので、「人物篇」があるらしい。この後には『昭和史講義』3編出ているし、この前には佐々木克の『幕末史』がある。内容は、やや専門的なものもあるが、教科書レベルが時代遅れなものになっていることがよくわかる。専門書でなく、これくらいのレベルの歴史書をしっかりと読んでおかないといけない。