【感想・ネタバレ】西郷隆盛 西南戦争への道のレビュー

あらすじ

維新の最大の功労者、西郷はなぜ反乱をおこしたのか。またなぜ、復権されるのか。根強い民衆的人気の秘密は何か。その実像をさぐるには、西郷が打倒しようとした明治政府権力の性格こそ検討されなければならない。気鋭の近代史家が、幕末動乱から征韓論争、西南戦争にいたる、西郷の栄光と悲劇の意味を読み解いていく。

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Posted by ブクログ


井上説(帝国主義を目指す西郷像)を 部分的に支持しながら、西郷隆盛の英雄性や愛国心を損なわず、著者なりの視点で、西郷隆盛が 目指した国家構想を推定している。面白かった

井上説
*征韓論に失敗して西南戦争を起こした
*西郷隆盛の征韓論は、政府の専制政治(有司)に不満を持つ士族を集め、朝鮮に進出すること
*西郷隆盛の西南戦争の意図は 士族による軍国主義国家を作ること

著者の意見
*西郷隆盛の朝鮮進出の狙いは ナショナリズムの高揚、天皇親政(専制政治の打破)
*西郷隆盛の目指したのは 士族軍国主義ではなく、天皇専制に近い立憲主義

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2017年12月27日

Posted by ブクログ

西郷隆盛の伝承記という意図ではなく、明治維新最大の功労者でありながら、西郷隆盛が最大の武力反乱(西南戦争)を起こしたのはなぜなのかという視点で、当時交わされた手紙や新聞なの資料に重点を置いて歴史的存在としての西郷を捉えることを意図したもの(序章より)。有司専制を推し進めようとした大久保利通と立場を対比させることで、西郷を歴史的人物としてどう評価すべきかを考察する。/なかなかおもしろかった。大きな歴史の流れの裏に見える政治家たちの思い思いの駆け引き、資料に見え隠れする本音、思想と信念。

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2009年10月04日

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