あらすじ
災厄で死ぬ人がわかってしまい、死を見続けてきた少女・志緒。ぼくは、死が予期される人を“密室状態”の孤島に閉じ込めて救う!
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匿名
もうすぐ死ぬ人がわかる死線が見える少女と一緒に死を未然に防ごうとするミステリ。
人が死なないと盛り上がりに欠けるかなと思ったが、最後まで楽しめました。
Posted by ブクログ
設定が面白いミステリー。寿命以外の死が見える女の子とその女の子を支える男の子のお話。一度に4人に死線が見えてしまい、全員を助けるために観察しやすい無人島に4人を招待するが、死線は増えていくという内容です。最後は綺麗に話が終わるし、伏線回収もあります。すっきりとした感覚で読み終えられました。
Posted by ブクログ
タイトルと登場人物たちの名前が結構Keyになっていて面白かった。
表現の仕方だとか、話の進め方がとても独特で体験したことないような感じで良かった。
ダイコンの話はまじで笑った。
ただ途中からちょっと話が読めてしまった。
理由までは分からなかったけど、犯人はふわっと分かって驚きみたいなのは少なかった感じ。
続きあるなら読みたい。
Posted by ブクログ
タイトルにある"誰も死なないミステリー"が好きなのでタイトル買いしてしまった本。
人の"死の運命"が見える遠見志緒と佐藤くんが死の運命を回避しようとする物語。字面で見ると壮大だが、あくまでミステリーの延長線。"死の運命"が見えてしまい、ミステリーであれば、殺人事件などに発展するような話をいかに人を死なせずにするか、という感じ。
大きく二部構成となっており、1部はプロローグとして、遠見志緒の能力とそれをどのように解決に導くかを短くまとめた話。
2部がメインで、同時に死の運命が見えた4人と共に無人島にいくという話。
2部はアガサクリスティのそして誰もいなくったをオマージュしており、本書の中でもそのような話が登場する。
能力はいいとして、さらっと無人島が用意出来たり、終盤の推理パートでは全員がおとなしく全員の話を聞くような不自然な状況だったり、よくよく考えると違和感を覚える箇所があるが、全体を通しては読みやすく面白かった。
罪と罰がテーマとなっていて、意外と考えさせられる。
登場人物それぞれがそれぞれに自身の罪と罰について考えていて、どうすれば償えるのか、もしくは償えないのかということを葛藤している。
誰も死なないミステリーとして誰も殺さず殺されず、全員が救われるというのが一つの答えなのだろう。
武藤一歩の正体は最後まで分からなかった。わかりやすく伏線が張ってあったのに気づかなかったので、判明した時には一定のカタルシスが得られて心地よかった。
また、エピローグには武藤一歩のシーンや、遠見志緒と佐藤くんの出会いのシーンが記載されていてわだかまりもなくすっきり終えていることも高評価。
Posted by ブクログ
人の死が見える少女志緒と、死を止めることでそんな彼女の悲惨な能力を優しく修正していく少年佐藤。高校生4人の顔に死線が浮かんだのを確認した二人は、全員の死を止めようと、犯人不在のクローズドサークルを作り出す。
序盤の自殺を止める話が非常につまらなかったが、あくまでキャラクター紹介と割り切るなら我慢できる。本作の大トロ部分は誰も死なないクローズド・サークルにあり、孤島に渡ってからは一気に面白くなった。死が見える=犯人と被害者が分かるという設定を存分に活かしつつ、それでいて誰も死なせないために真相を探るという設定は中々に面白い。少し違和感があるとすれば、飛び降り事件のことを知った段階で主人公の顔に死線が現れたことで、これはやや運命的に過ぎる。能力のトリガーが対象に殺意を抱いた瞬間にすればもう少し納得がいったように思う。
常識に当てはまらない超然とした不思議な少女と、それの面倒を見る平凡だが根底は異質な少年という取り合わせは、やや食傷気味ではあるものの、人気の出そうな組み合わせであり、作者お得意の設定でもある。それだけに手慣れた様子ではあるものの、そういった物語にありがちな人を喰った印象はなく、本作はどこまでも優しい物語である。ややロマンチック過ぎるきらいもあるが、作中で仕掛けた謎はしっかりと明かされており、当初の予定通り誰も死なないミステリとして出来上がったのは賞賛に値する。それでいながらも、出発点が誰かの死で始まっており、終盤で明かされた主人公との意外な繋がり、ノンシュガー=志緒というミスリードは上手く、コロッと騙されてしまった。ただ武東=チホがセクシャルマイノリティで、それがミスリードに使われたのは少し引っかかる部分もある。リベラル臭い考えではあるが、自然に描いて欲しかった。
肝心の事件だが、屋上に行った謎、出火の謎、傘が遺体の側にあった謎、そして飛び降りを選んだ謎と、事件のポイントとなる部分が非常に分かりやすかったのは好感が持てる。加えて容疑者たちによる多重解決ものの雰囲気もよく出ており、容疑者の中に姿を消した志緒が含まれていたり、彼女の選んだカルネアデスの板という選択も冒頭の会話からの伏線が効いているため、事件自体は短いながらも濃密だった。ただ惜しむらくは、誰も死なせないことが前提にあったため、作品としてのまとまりがよくても全体の印象はどうにもヌルく、緊迫感に欠けていたという点である。これは本来のこの作品を好む客層を考えればケチをつけても仕方がない部分でもあるが、個人的には志緒が犯人=彼女への不信感というネタはツイストが効いていたため、緊迫感維持のためにもう少し引っ張れた気もする。それでも誰も死なせないという設定自体、本格的な推理を好む人にはのめり込めない部分があったのではなかろうかと考えてしまう。
しかし作品の設定買いした人間から言わせてもらうと、そこから考えうる面白さの標準は概ねクリアしており、期待通りの作品であったとも言える。次作ではよりこちらの想像を越えた、もっと面白いミステリが読みたい。『きみの分解パラドックス』よりはこちらのほうが好みだし面白かった。
Posted by ブクログ
まず、設定がおもしろい。誰も死なないのに、ミステリーならではのぞくぞく感が味わえた。「ノンシュガー」や「佐藤」など、名前にもしかけがあって、全ての謎が解けたラストは、すがすがしいものだった。
Posted by ブクログ
読み終わるまで作家さんの描いた世界観に翻弄された気がします。
人の死が見える少女とそれを回避するために協力する少年の物語。
死を回避するために探偵側が犯人側に立つような展開は斬新で楽しかったです。
複雑な物語ですが文体が読みやすいので一気に読み切ることができました。
Posted by ブクログ
良いところ
・名前に関するミスリードが痛快
・特殊能力を活かした登場人物の状態変化を物語にうまく落とし込んでいる
うーんなところ
・良くも悪くも誰も死なないのでもやっとするエンド(?)
・死にそうな赤の他人を助けるために自分までも犠牲にするところに感情移入がしづらく、字面読みになってしまいやすい
・クローズドサークルへの導入が多少強引
感想
ミステリの中ではとても読みやすいものだと思った。テンポ良く展開も進む。だが、誰も犯人にならないので、ミステリでは重要と思われる100%の真実が99%の事実に変えられている。この点はミステリ好きにとっては不完全燃焼と思われるかも。あと、佐藤くんがあそこまで他人を救おうとする理由が釈然としない。
Posted by ブクログ
高校唯一の居場所の屋上で佐藤はお嬢さま学校の制服を着た、志緒に出会う。
志緒は人と視線を合わせると、相手の顔に死線が見えた。死線の現れた人間は間もなく死ぬ。
大学生になった佐藤と志緒。彼らは、これまで、たくさんの人から死線を消してきた。
そんな中、大学で見かけた死線の出た人々。
2人は彼らの死を回避するために動き出す。
クリスティの名作をなぞる様に進むお話。
話があちこち飛ぶ様で落ち着かなく、2人の思わせぶりな会話も深読みすべきなのかモゾモゾしてしまう。
ミステリ部分はともかく、最後に明かされる佐藤の恩人「ノンシュガー」と志緒の仕掛けにはニヤリとした。
Posted by ブクログ
設定が面白い。序盤から中盤はとてもよかった。ただ、後半の無人島の設定やそこへ連れて行くための強引さが少し気になったのと、ややトーンダウンしてしまった感があるが、読みやすかったので★3つ