あらすじ
「ヒト」と「モノ」とが紡ぎだすボーイ・ミーツ・ガールで、17歳の少年が選択した人類の未来とその存在意義とはーー
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Posted by ブクログ
上巻、下巻を通して純粋に面白かった。現代でもAI技術が進歩している中、この作品のテーマのメッセージ性は大きいと感じた。特に、作中で何度か取り上げられた"ハザード"とか、アナログハックについては、結構考えさせられた。遠くない未来、AIがどんどん進歩して、その知能がもはや人間の知識では到底追いつけないところまで行ってしまったら。そのAIが、人間の知らないところで独自にものを考えるようになって、世界中を巻き込むような大事件なり戦争を始めてしまったら。そんなことを考えると、こういうことは決して物語の中の出来事ではないと薄寒くなったりした。でもやっぱり、最後の最後で重大な選択を迫られるのは人間なんだろうな、ってちょっとウンザリしてみたり。そしていずれhIEみたいなアンドロイドと共存する時代が来て、それをただの"モノ"と見るか、はたまたそこに"意味"を見出すか。自分だったらどうするだろうかと頭を悩ませてみたり。まあ僕は絶対"カタチ"に左右されるだろうけど。まあこんな感じでいろいろと考えさせられた。
読み終わってみると、別にテーマ抜きで考えてもストーリーがしっかり成立していたから、十分読み応えがあって楽しめたと思う。結末も主人公のアラトが幸せに終わるハッピーエンドだったし、登場人物それぞれのやりとりにまたよく考えさせられたし、レイシア可愛かったし。そう。レイシアが可愛かった。レイシアだけじゃなく、他のレイシア級4機も魅力的だった。間違いなく、レイシアや他の4機の魅力がこの作品を引き立てていた。でもまあ、こうやって僕がレイシア達を可愛いとか言ってること自体がもうアナログハックなのだが。今思えば、読んでてレイシア級がどんどん破壊されてくとすごく心が痛んだり、メトーデがスノウドロップに捕食されるシーンでは可哀想になったり、思いっきり"カタチ"に誘導されまくってたなあ。でもそのくらい「チョロい」人間のアラトが、レイシアと接して成長して、終盤の答えに辿り着く姿が、すごく印象的だった。
ズラズラ書いてきましたが、ほんとに面白い作品だと思ったので、是非オススメしたいです。
Posted by ブクログ
感情ではハッピーエンドと感じられないけど頭で考えるとこれこそがハッピーエンドだと思うし、100年後にはもしかしたらすんなり感情でも受け入れられるのかも知れなくて、このエンディングは最強。
ハッピーエンドだと望みたい。
この物語をハッピーエンドにできるアラトくんが凄い。
Posted by ブクログ
設定や世界観にの細かさには素直に脱帽するしかない。特にアナログハックという設定は唸らされた。
ただし、文章力やストーリーにはやや疑問符がつく。
特に文章力は、比喩表現がいったい何を指しているのか分かりにくかったり、情景がうまく想像できなかったりする。まぁ、僕の読解力が足りてないだけかもしれないが。
ストーリーに関しては盛り上がるべき箇所で個人的には盛り上がりきらないかなと感じてしまった。もちろんしっかりとしているしどこが悪いかと聞かれると困るのだが、途中で読む期間を開けてしまったりしたので話がわかりづらくなってしまったところもあるかもしれないが、めちゃくちゃすごい!とまでは思わなかった。
エンディングが「アンドロイドにも心はあるんだ!」という安易なものではなく、「魂がなかったとしても君を信じるよ」という結末なのはよかった。時間があれば是非もう一度読み返し、理解を深めたい。