あらすじ
日本人は「押しが弱い」。なぜこうも弱いのだろうか? それは、我々日本人が元々、アフリカでの人類誕生以来、幾多の争いに負けつづけ、大陸から押し出されて現在の地にたどりついた民族だからではないか。ならば、まず自分たちの弱さを認めることだ。「押しの弱さ」は恥じるべきことではなく、むしろ現代の世界では「売り」になる。弱さを逆手にとった画期的日本人論。
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Posted by ブクログ
『押しが弱くて、気も弱い』。
否定的に捉え、自己嫌悪に陥るよりも、『日本人の気質』と捉え、どうすれば良いかを肯定的に考えていく。
前向きな気持ちになれる本でした。
Posted by ブクログ
内田樹「日本辺境論」に近い。日本人はアフリカで生まれた人類の中でも最も弱いが故に住む場所を追われてこの最果ての地に辿り着いた。著者はその遺伝的とも言える「弱さ」を受け入れることを主張する。
Posted by ブクログ
日本人の押しの弱さを弱点とするのではなく、売りとしてやっていこう、という主旨。
体力も弱いし、胃腸も弱いし、酒にも弱い、争うのが嫌いだし、実際やっても負けちゃったし。
その度に逃げて(譲って、移って)を繰り返したら、アフリカから極東の島国までやってきてしまった、日本人の祖先たち。
つまり世界一押しに弱いから日本に来てしまったのである。
YES、NOをはっきり言わず、弱者は助け、強者の前ではオロオロとする。
よく言われる日本人像だが、これはこれでよいのではないだろうかと本書は言う。
一神教が重んじる「理」よりも、人の「情」に重きを置いてしまう日本人の考え方は、イスラム教VSキリスト教めいた世界情勢に平和を齎す可能性があるという言葉に、ふ、と納得してしまう。
落しどころ、妥協点を見つけるのが巧い日本人ならではの技かもしれない。
全体を通して、特段目を覚まされるような内容はなかったけれど、
個性的な日本になれなくとも、その同調性で出来ることはあるのだなと再確認できた。
文章は読みやすい。