あらすじ
日本人は「押しが弱い」。なぜこうも弱いのだろうか? それは、我々日本人が元々、アフリカでの人類誕生以来、幾多の争いに負けつづけ、大陸から押し出されて現在の地にたどりついた民族だからではないか。ならば、まず自分たちの弱さを認めることだ。「押しの弱さ」は恥じるべきことではなく、むしろ現代の世界では「売り」になる。弱さを逆手にとった画期的日本人論。
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Posted by ブクログ
日本人は他の国の人と比べてDNA的に推しが弱いみたいな話はどこかで聞いたことがあったけれど、冒頭で示されるように「そもそも弱い人たちが大陸から押し出された(大陸の隅っこに追いやられた)」という考え方は斬新。真相は分からないけれど、たしかに筋は取るように思う。本書は書名の問から派生した、日本人とはどのような人々なのか、そしてどう生き抜いていけばよいかが丁寧に書かれていてとても興味深い。中でも、日本語は上下関係を気にして言葉を選ばないといけない、世界で仕事をするうえでは不利ということもなるほどと思う。
Posted by ブクログ
「声に出して読みたい日本語」の著作なだけに、読みやすいし、親しみやすい内容だと思います。押しが弱いことをネガティブにとるのではなく、押しの弱さを認めつつ、生かすための方法を示しています。
いわゆる日本人は消極的で~、という話とは視点が異なり、押しの弱さをDNAや人類大移動、日本人の体つきなどちょっと科学的な視点から考えたり、最近のトピックスを交えながら話が進むので、あきないです。
Posted by ブクログ
日本人として共感せずにはいられない内容でした。斎藤さんの仮説と断わって書いていますが、裏付けがあるものも多く、押しが弱い、ゆるいということを受け入れて付き合っていこうと思いました。いつの間にか、日本語の話になっていて、さすがご自身の専門に触れている!と思いましたが、それも含めて日本人のいいところもたくさん書かれていました。日本人の良さを自覚してそれを活かすことで、社会や他国とやっていけるのかなと思います。私たちは弱いからこそ助け合い、勤勉に助け合ってきたからナンバーワンになれた。誇りを持って、弱さを認め、協力し合って生きていきたい。
Posted by ブクログ
グローバルスタンダードに対して、日本のやり方が、弱いとしてもなぜ悪いのか、とずっと考えていたので、これは良かった。
弱いからこそ、極東に押し出されたんだと言う発想も面白かったし、事実そうかも。
日本の弱さと、故の利点の列挙までは面白かったが、じゃあこの先どうしたら良いのになると急に色あせた感じがする。
Posted by ブクログ
『押しが弱くて、気も弱い』。
否定的に捉え、自己嫌悪に陥るよりも、『日本人の気質』と捉え、どうすれば良いかを肯定的に考えていく。
前向きな気持ちになれる本でした。
Posted by ブクログ
日本人は「押し」が弱い。それは悪いことか?著者の「自分が押しの弱いことを認めて、それを良さとして活かして、成功する道を見つけよう」という主張に元気づけられる。日本人の「押しの弱さ」が悪いことではないと信じられるのに十分なくらいたくさんの成功例が挙げられているので、著者の主張は疑いない。特に「サッカーから学ぶ日本人の勝ち方」は印象的だった。私たち日本人が、ここから学べるものは多い。スポーツだけでなく、ビジネス・芸術など幅広い分野の「日本」に触れることで、日本人の押しの弱さを痛感させられるが、それは誇れるものとして受け止められるはずだ。
Posted by ブクログ
内田樹「日本辺境論」に近い。日本人はアフリカで生まれた人類の中でも最も弱いが故に住む場所を追われてこの最果ての地に辿り着いた。著者はその遺伝的とも言える「弱さ」を受け入れることを主張する。
Posted by ブクログ
推しが弱いことを認めると楽になる気がする。自分に当てはまることも多く、日本人の性質だから無理しないでいいと言われると気楽になる。弱さを認めた上で、プラスに変えていけばいい。
【推しの弱さと体の弱さ、同質性、コミュニケーション】
・日本語力を磨いてテンポの良さとまったりした寄り合い感を両立した会話が楽しめるようになりたい
・効率のいい情報収集が大事。ネットの偏った情報を鵜呑みにするのではなく、正しい情報を。
・日本人は同質性を好むから、そこからはみ出た人に対して妬みを感じる。無理して抜きん出るより、チーム全体の底上げが大事。
・日本人は小さいところに詰め込む技術がある
Posted by ブクログ
押しが弱いとひたすらに言われる本。
日本の良いところにも気づけてほっこりした。
グローバル化とは西欧化のことではない。
日本人としての心を保ちつつ、私たちの強みを活かして世界と戦うことが必要なのである。
Posted by ブクログ
日本人の押しの弱さを弱点とするのではなく、売りとしてやっていこう、という主旨。
体力も弱いし、胃腸も弱いし、酒にも弱い、争うのが嫌いだし、実際やっても負けちゃったし。
その度に逃げて(譲って、移って)を繰り返したら、アフリカから極東の島国までやってきてしまった、日本人の祖先たち。
つまり世界一押しに弱いから日本に来てしまったのである。
YES、NOをはっきり言わず、弱者は助け、強者の前ではオロオロとする。
よく言われる日本人像だが、これはこれでよいのではないだろうかと本書は言う。
一神教が重んじる「理」よりも、人の「情」に重きを置いてしまう日本人の考え方は、イスラム教VSキリスト教めいた世界情勢に平和を齎す可能性があるという言葉に、ふ、と納得してしまう。
落しどころ、妥協点を見つけるのが巧い日本人ならではの技かもしれない。
全体を通して、特段目を覚まされるような内容はなかったけれど、
個性的な日本になれなくとも、その同調性で出来ることはあるのだなと再確認できた。
文章は読みやすい。