あらすじ
英雄たちの熱き戦い、ここにあり! 日本で根強い人気を誇る三国志。その醍醐味は、戦いにあると言っても過言ではない。曹操、劉備、諸葛亮、関羽、張飛、孫権、周瑜――。英雄たちは、決戦に臨んで何を考え、どう行動したのか? 本書は、「官渡(かんと)の戦い」「赤壁(せきへき)の戦い」「夷陵(いりょう)の戦い」など、雌雄を決した十二の戦いを再現していきながら三国志を読み解いていく。三国志研究の第一人者が、「演義」「正史」、そして史実を交えて、戦いの模様や前後の歴史概要を詳しく解説した。そこで甦る、英雄たちの明暗!三国志ファン垂涎の一冊!
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Posted by ブクログ
とても面白かった。
安っぽい表題に胡散臭い帯であまり期待していなかったけど、著者は中国歴史研究の第一人者である渡邉義浩氏なので、参考にならないわけがない。
表題のわりに戦自体についてはあまり触れられず、その背景が多く述べられますが、それは正史という性質上仕方ないとのこと。
私としては、最終章で語られる「なぜ三国志演義が五丈原で終わるのか」という問いの答えになるほどと感心しました。
Posted by ブクログ
名士論。後漢三国時代を名士論で解き明かす。晋代には彼らは貴族となる。地元の有力豪族にして、儒学を収めた名士は、特に高名な名士から評価をもらい、その名士グループに所属する。彼らは時に敵対陣営に所属しながらも連絡を取り合い、また主君に推薦するなどして影響力を行使した。また有力な名士はその一族がついてくるので、無視しえない力をもった。代表的な所で荀彧や周瑜など。彼らが戦いに与えた影響をみていく。個人的には三国鼎立を創り上げた魯粛、劉備政権を益州に確立させた法正、儒家の理想の聖漢一統の実現を目指した諸葛亮、理想と現実の狭間で苦しんだ荀彧などが面白かった。