あらすじ
2012年WSOP獲得賞金4000万円!
チャンスに迷わず動き出せ!
驚異的なスピードで勝利を獲得してきた知的アスリートが明かす、決断の極意!!
次にどんな手がくるか分からない「不完全情報ゲーム」であるポーカー。その世界チャンピオンである著者は、勝負の中でいかにして実力を磨いたのか?
世界の猛者たちと戦い続ける頭脳ゲームの達人の、手に汗握るドキュメンタリー。
目次
プロローグ
1:みずから競争に参加する
2:強くなれる場に飛び込む
3:スタートの環境は厳選する
4:成長に繋がるのは真剣な時間だけ
5:短期間で可能な限りの経験値を積む
6:点検して試行錯誤する
7:高い集中力を身につける
8:強者を観察して真似る
9:変化こそ人間の能力だ
10:情報からノイズを排除する
11:勝ってる時こそやり方を変える
12:不完全情報ゲームに「神」はいない
13:淡々と「期待値」で動く
14:運がきた時に勝ち切るために
15:感情にかられれば負ける
16:初めてのWSOP
17:WSOP2012
18:DAY2、オールイン8連勝!
19:WSOP2012で日本人初の優勝!
エピローグ
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
○プロポーカープレイヤーである木原直哉氏の著作。
○自信の学生時代の話しから、アメリカでの世界ポーカー選手権大会でチャンピオン(ポット・リミット・オマハ・シックス・ハンデッド)になるまでの経験を、各種頭脳ゲームの紹介や、ポーカーのプレーにおける選択などを交えつつ記述。
○運に左右されるもの、実力で勝負できるものといったポーカー特有の状況における、人間の思考、メンタル、確率論といったポイントについて、詳細かつ丁寧に記述されており、とても勉強になる。
○何より、「運」が大半を占めるゲームでありながら、技術・メンタルをコントロールすることで、勝利の確率を高めていくという方法論は、実際のビジネスや勉強などでも必須の考え方になるのだろう。
○全くポーカーに関心が無かったが、とても興味深かった。
Posted by ブクログ
個人的2013夏の課題図書の1つ。おもしろくて一気に読めた。タイトル通りに受け取るとすこしずれた内容ながら、
・学生時代の健全な競争経験(模試・将棋・麻雀・バックギャモンなど"知的ゲーム"への没頭)
・オンラインポーカーでのデータ蓄積
・アメリカでのポーカー大会参戦記(後半はこれがメイン)
が、冷静にわかりやすい筆致で語られる。
「ギャンブルは嫌い」の言葉に、最初は?だったけれど、冷静に考えれば、冷静さがないと(相手よりも)冷静な判断が行えないのはどの世界でも同じ。文中でも、冷静さを失ってしまった(ティルト)相手、カモとしてプロに狙われやすいフィッシュなど、相手の状態や心情を細かく分析しながら、冷静にプレーする様子が絵に浮かぶようにわかる。
あえて冷静という単語をまき散らしたけれど、読んで感じたプレーヤー像としてはまさにそれで、13章の見出し "淡々と「期待値」で動く" もまた、端的にそのイメージを表しているように感じた。
「不完全情報ゲームを制す」のに必要な、より一般的な方法をこの本に探すのはむずかしい。そのようなゲームの"一例である"ポーカーにまつわる取り組み方として、6〜10章あたりにわかりやすく書かれている。無理矢理まとめれば、
・1回1回の勝敗ではなく長いスパンでプレーし、その期待値で判断する
・ゲームの経験値はオンラインポーカーでとにかく貯め、あらゆる状況に判断できる方法論を自分の中に確立するのが大事
という内容。
自分の場合はどうだろう。将棋も麻雀もそこそこ好き(強くはない、最近はめっきりしなくなった)、バックギャモンもポーカーもやってみたい、知的ゲームとして突き詰めるのも楽しそう。だけど果たしてここまで資産と時間をかけて一線超えられるだろうか?(反語)やっぱりその線を越えて進んでいく人は違うよなあ、というのが、まあよくある読後の感想だった。