あらすじ
インテリジェンス教育を行う日本初の専門機関、陸軍中野学校。一九四〇年に誕生し、敗戦とともに消滅する。二千三百余名を数える卒業生は、中国大陸や南方アジアの戦地へ送られ、諜報活動、ゲリラ工作などに従事し、命を落とす者も少なくなかった。秘密戦工作のこの壮大な実験は、いまだ全貌が明らかになっていない。公文書をはじめ、新たに発見された資料を用いてその実像に迫り、歴史的意義を検証する。陸軍中野学校に関する最良の研究書である。
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Posted by ブクログ
【中野は時局に追われた。時局の変化が速すぎた】(文中より引用)
前身の組織を含めてわずか7年の活動であるにもかかわらず,日本の諜報史において欠かせない位置を占める陸軍中野学校。近年発見された公文書の内容にも触れながら,その設立と活動の様子,そして履修後の要員の活動までを丹念に記した作品です。著者は,インテリジェンス研究の第一人者として知られる山本武利。
淡々と事実を書き綴っているために面白さはあまりありませんが,陸軍中野学校に関する詳細な記録として有益な一冊。当初の創立者の思惑とは異なり,戦局の悪化とともにゲリラ戦の方法をたたき込まれるようになるなど,短期に終わったその活動の間にも様々な変遷をたどっていたことがよくわかりました。
忍術まで学んでいたとは☆5つ