あらすじ
【電子限定特典ペーパー付き】ボクたちはモノゴコロついたときからとなりにいていつでもいっしょ、なんでもはんぶんこだった――楓と塁は同じスイミングスクールに通う幼なじみの小学6年生。なんでもお揃いだったふたりの「ひとつだけちがうこと」それは、楓は女の子で塁は男の子だということ。少しずつ女性らしい体つきになっていく楓の戸惑いと、それを見守るまわりの人々の優しいまなざしを描く少年少女の成長物語。
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匿名
途中までなら幼馴染の恋愛だけじゃなくて双子の男女とかでも起こりそうな物語で普通のラブコメとは一味違って良かった
タイトルの回収も自然で表紙絵から想像させられる不思議な何かは起こらないけどそれがまた良かった
思春期の入り口で
作者の他の作品を試し読みし、こちらも購入しました。
可愛らしい絵柄で、二次性徴に入る頃の微妙な幼馴染の男女が描かれています。楓さんの戸惑い、もしかしたらご本人の性自認とも関わるのかも、と思いつつも、楓さんはずっと一緒にいる塁君のことが好きなようです。梢お姉さんお下がりの可愛らしいワンピース、最後には着ています(ずっと短パン姿でぼく、だった)。
水泳教室での進級試験、ずっと一緒に合格していたのが楓さんだけ進級したのは、どうやら一生懸命に泳いでいる楓さんを綺麗に感じたから、のようです。
大人になろうとしている楓は綺麗だよ、と言い切る塁君、モテそうです。
楓さん、戸惑いもあってお姉さんに下着のことを聞いたり、あまり泳げないたまちゃんのお胸をむにゅっと触ってしまう場面も印象的でした。
Posted by ブクログ
映画「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」の少女を、幼なじみの男女二人に振り分けたような思春期ものドラマといえそうだ。主人公の女の子は思春期の性的成熟を迎えて悩む。そして幼なじみの男の子がいるが、「その男の子のようになりたい」と感じる。しかしそれは性同一性障害のように恒久的ではない一過的な悩みであり、主人公はいずれ自分の女性性を受け入れるであろうことが暗示されている。女性としての性同一性を容易に受け入れられない、子供としての主人公の不安定な様子が、性同一性障害に近い感覚を呼び起こしているのであろう。その他の人間ドラマは比較的薄味で、その「男の子になりたい」という表現が作品の中心となり、叙情的な描線が作品の空気を膨らませている。あとがきによれば「男の子になりたい」という感覚には、著者の体験が反映されており、おそらくはその点にリアリティがある。