【感想・ネタバレ】「豊かさ」の誕生(上) 成長と発展の文明史のレビュー

あらすじ

経済発展は、格差の歴史
人類に“持続的な富の増大をもたらした4条件に迫る!

なぜ、我々は豊かな生活を享受できるようになったか? そしてなぜ、豊かさの誕生は1800年代以降に限られているのだろうか? 近現代に持続的な経済成長をもたらした「繁栄の4条件」を、膨大な資料と、法律、歴史、哲学、天体力学、神学、政策科学、社会学、経済学の観点から探っていく。

●条件1 私有財産権。具体的な財産に関してのみならず、知的所有権や、自分自身の身体についても、市民の自由として確立されていなくてはならない
●条件2 世界を精査・解釈する体系的な手順としての科学的合理主義の確立
●条件3 新製品の開発や製造に対して幅広く誰でもが投資できるような近代的資本市場の成立
●条件4 大切な情報をすばやくやりとりできる通信手段と、人や物を迅速に運べる輸送手段

格差や不平等を決定づける「豊かさ」の歴史を明快に分析した骨太の大作を文庫化。

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Posted by ブクログ

この200年での人類の急速な発展がいかにしてもたらされたかがよくわかる。
読みやすいしおススメです。

私有財産権、合理的科学主義、資本市場、輸送と通信の発達

どれも欠けることなく揃って初めて。

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2022年03月14日

Posted by ブクログ

「豊かさ」は結果として生じるもの、ではなくて、ある条件の元でのみ体質として生まれるものであることを指摘する骨太の分析です。条件は四つ。一つめは私有財産権。これには知的所有権や市民の自由も含まれます。二つめは科学的合理主義。三つめは誰でも投資できる近代的資本市場の成立。最後は大切な情報をスピーディにやりとりできる通信手段と人や物を大量に迅速に移動できる輸送手段。1800年代以降、前近代が近代にイギリスやアメリカにおいて乗り替わっていくプロセスこそが「豊かさ」の成立要因という論考です。エドワード・コークやガリレオ・ガリレイやジョージ・ウェスティングハウス、ジェームス・ワットなどなどありとあらゆるオールスターがありとあらゆるトピックと絡まりあい現在の経済システムが生まれた歴史が語られます。上巻ではその主張が新自由主義のバックボーンにも感じ下巻で未来への視点がどう語られるか楽しみだす。

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2017年04月24日

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