あらすじ
「ママ、最近こわい声が多すぎる。もっとかわいい声でしゃべって」。息子チビちゃんの思いがけない一言に、ふと我が身を振り返る。家事に育児、執筆、五匹の動物の世話でてんてこ舞の日々は果てしなく思われたが……。シッターさんに愛を告白したり、深夜に曲をプレゼントしてくれたりする愛息とのかけがえのない蜜月を凝縮した育児エッセイ。
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Posted by ブクログ
<忘備録・ネタバレあり>
小さな息子との、かけがえのない日常をつづったエッセイ。
チビちゃんの綺麗なことばや真っ白な心で見る感性に心うたれたり、この世の真理をついたような言葉にハッとさせられたり、チビちゃんの名言の数々に終始ニコニコ顔で読み進めた。
特にチビちゃんのホテルのくだりは最高に可愛らしい。(すばらしいおトイレ。一緒に寝る人に夫を選ぶと、きっぱりチビちゃんがおすすめだという。いっしょに寝るとかわいいらしい)
わがまま言った後に「シッターをやめないでください!」なんていうのも可笑しくて笑っちゃうけど、子供ながらにスピード感あふれるリスク回避(反省からの素直に懇願)が素晴らしい。
褒め言葉が「よくしみこんでいる」はわたしも使いたいなとおもった。笑
吉本ばななは漢字と平仮名を使い分けるのがとっても上手だなと思う。あえて平仮名にすることでまるで印象が異なる。小さな子が話している様子が思い浮かぶし、言葉の印象がまあるく優しくなったり。Audibleを使用することもあるが、こういう部分でやはり本のほうが良いなと感じた。
▼印象的なフレーズ
・「いっちゃんは顔がふあんていで、いつもちがう顔になるところが好き。にっこりとしていても、いつも同じ顔じゃないし、悲しい顔になっても、優しい顔だから。それから、いっちゃんは怒ってもかわいいんだよ」
・「未来にいってもママって呼ぶと雲の上にママっていう文字が出る。ママにもでてお話しできる。」どんな芸術も子どもの心には負けてしまう。
・何回も同じことを言われると、できないことはいっそう出来なくなるものなのだ。
・「チビちゃんは、とってもここが懐かしいよ、懐かしすぎて、今の時間が楽しめないくらい。」
・あのふさふさしたあたたかいおなかの感じを、異種族に深くゆるされた奇跡を、きっと彼の体は懐かしくすばらしい感触として、どこかにしっかりたくわえているだろう。
・「でもさ、そういう人もいるんじゃない?この世は、別の人の心がみられないから、こわいところなんだよね」
・リビングで鼻くそをほじりながら「俺ってすぐそこのたからものなんでしょ、だったら一万円ちょうだい」などと言っています。〜それでも彼の、この本の中に描かれた独特の持ち味は全く変わっていないんです。