【感想・ネタバレ】にっぽんの履歴書のレビュー

あらすじ

第158回直木賞(平成29年下半期) 受賞後第一作!
著者が長年創作のテーマとして考えてきた「歴史と日本人」をこの一冊に。

――戦前の日本は、お人よしだな。
そう思うことがある。植民地のために人をやり、金をついやし、わざわざ政治的、軍事的困難に足をつっこむ。
そうして台湾のみならず東北アジア地域そのもののなかで出る杭になった末に、あの領土の奪い合いでもない、人民革命ののろしでもない、何だか理由はよくわからないがとにかく日本の膨張が一因らしい対米戦争へずるずる入って行ってしまった。
(「お人よしの台湾統治」より)

新直木賞作家が平成の終わりに考えた「この国のかたち」。
・元号は平ったく言えば天変地異の占いの道具だった
・植民地経営に乗り出した戦前の日本はお人よしだった?
・宮沢賢治と夏目漱石の文体の「秘密」
・「艦これ」の隆盛を司馬遼太郎が予言していた!?
・新聞はほろびたという議論は明治時代からあった
・刀は物体、剣は精神である
・女工哀史は本当に「哀」なのか
・人口減少で「邪悪な正義」も減る ほか、 全50篇。
フェイクでもヘイトでもない。この国の豊かな歴史にふれる渾身の歴史エッセイ集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

早い話が、私たちは政権交代とは言うけれど、政府交代とは言わない。お上が入れ変わるとも言わない。政府やお上は常にそこにあるもの、他への転嫁ができないものとして私たちの意識または無意識にあるのだ 江戸時代の人々は、案外、ローマ市民の正当な子孫なのかもしれないのだ 言語とはこの国の入れ物、この国の器に他ならないのだ

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2018年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「慶喜」と名付けられたことで江戸史幕末史への関心が起きた/学生時代、古本屋で幸田露伴全集44巻24万円を購入し2ヵ月間食パン2枚づつで3食で読み耽った。文語文に通暁。現在では3万円程度/「書評試作」二十数篇を丸谷才一に送付。思いがけず返信あり「よく書けているが深みが必要」/サラリーマン作家の頃の習性で、四時半起床して執筆…午前中に昼寝が至福の快楽/『坂の上の雲』は〈艦コレ〉の源流という。明治時代の男たちは軍艦をどれほど誇らしく眺めただろう。日清戦争当時、清国の海軍力は日本を上回っていたが奇勝、それから十年

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2021年01月30日

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