あらすじ
異世界転移したクロツハルトは、マリシェ姫の宮廷教師として成果を出していた。
勉強しないことで有名だった彼女は真剣に帝王学に取り組み、その才能はめきめきと伸び、周囲からも称賛され始めていた。そんな中、有力貴族によるマリシェ姫暗殺計画が実行されたが、マリシェ自身とハルトの知識と機転によって、危機は回避される。その恩賞にハルトはロイツェン大公から爵位を授かった。
やがて彼の教育のお陰で立派になったマリシェの成人の儀が行われ国内がお祭りムードに包まれる中、隣国たちの陰謀が交錯する。
グライフ帝国が戦争を起こし、ロイツェン公国の隣国、パルネア王国にまで攻め込んできた。王国を手中に収めた帝国が次に狙うのは当然、マリシェやハルトがいるロイツェン公国で……。
「姫、本当の名将は戦争になる前に相手を敗北させます」
帝国との戦争でマリシェを活躍させる為に、ハルトは軍師として目覚ましい働きを見せる!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
異世界で公女殿下の家庭教師となったクロツハルトの物語の二巻は、国内の物語だった一巻とは打って変わって、隣国パルネア王国へと攻め入ったグライフ帝国との対峙が描かれている。
国内情勢が安定してから国際情勢へと話を進めるのは、こうした戦記物・内政物の王道であり、ここではクロツハルトが成人して執務を行うようになった公女殿下の懐刀として活躍する様が描かれている。
厳寒の地域にあるがゆえに南下政策を取り、異教徒の国へと攻め入ったグライフ帝国を相手取り、既知の歴史から知恵を引き出して対抗する様は、実に正統派の物語である。
今回は星四つ半相当と評価している。
筋立て的にも出版事情的にも次巻が出るかはわかりかねるが、次が出るのなら買いたい作品だ。