あらすじ
【ページ数が多いビッグボリューム版!】「母さん、なぜ私を生んだの?」虐待を受けながら育った娘は、ずっと自問していた――。一度は自分を捨てた母に、父の死後引き取られ、ともに暮らすようになった照恵。しかし、それは実の母親から壮絶な虐待を受ける、地獄のような日々の始まりだった。やがて自らも母となり、やっと穏やかな生活を手に入れた照恵だったが、1本の電話が、彼女の封印してきた過去の記憶を呼び覚まし…。虐待により踏みにじられた魂の再生を、曽根富美子が描ききった感動作。原作のその後を描いたオリジナル番外編『闇がひらかれるとき』、原作者・下田治美氏の解説文も収録した完全版。
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Posted by ブクログ
読んでいる間ずっと胸が苦しかった。母親がひどすぎて、主人公が哀れすぎて。救いは素晴らしい家族を得られたこと。虐待の連鎖が止まって本当によかった。読み終わった後もずーっと重たいものが残ります。
Posted by ブクログ
モンスター婆の横暴に読者の怒りもヒートアップしていくが半生が分かると複雑な気分にもなる。
後日談での落魄ぶりは寒気すらするが、主人公の旦那と娘さんが聖人に匹敵する程の人格者である事が話に大いなる救いをもたらしている。
Posted by ブクログ
この本を読むのは、2回目。下田治美のエッセイが大好きだが、小説となると雰囲気がまったく違う。本当に治さんが書いたの?と疑ってしまいたくなる感じ。小説も大変面白い。さて、主人公は母親から壮絶な虐待を受けながらも立派に育ち、愛する人と結ばれ母となった。かつて自分には縁がなかった家族を得たのだ。母親からの虐待の呪縛を逃れ大人になり、家庭を持ち、夫に先立たれたがシングルで無我夢中で愛情をかけて育児をした。その子どもも高校生となって、少し余裕が生まれた時、30年前になくなった実父の行方不明となった遺骨を探す。主人公は父が台湾人、母が日本人のハーフだ。日本だけではなく、台湾にも父親の遺骨を探しに行く。劣悪な環境から生き延び、暖かい家庭を持ち、優しい母親となって、主人公が普通の日常を手に入れ、とても嬉しく思う。