【感想・ネタバレ】翡翠の森の眠り姫【特別版】(イラスト付き)のレビュー

あらすじ

【特別版/書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編を追加収録!】

「抱きしめて慰めたい。それが怖いならせめて、お手に触れてもよろしいでしょうか」
ロンドンの片隅で兄と身を寄せ合って暮らす少年・翠(みどり)。翠は接触恐怖症で、特に男の人が怖くて仕方がない。だが、雨の中出会った貴公子のヴィクターは、翠の怖がることは一切せず、豪奢な伯爵邸でただただ優しくもてなしてくれた。翠は彼の甘やかな態度に心を溶かされ、抱きしめられたいとさえ願うように。
しかし、ある時、ヴィクターに拒絶反応を起こし、彼を深く傷つけてしまって――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

▼あらすじ
ロンドンの片隅で兄と身を寄せ合って暮らす少年・翠。
翠は接触恐怖症で、特に男の人が怖くて仕方がない。
だが、雨の中出会った貴公子のヴィクターは、翠の怖がることは一切せず、豪奢な伯爵邸でただただ優しくもてなしてくれた。
翠は彼の甘やかな態度に心を溶かされ、抱きしめられたいとさえ願うように。
しかし、ある時、ヴィクターに拒絶反応を起こし、彼を深く傷つけてしまって――。

***

ストーリーの完全度:普通
トーン:せつない・シリアス
エロ度:低い
萌え度:普通
総合評価:★4.0

今まで読んできた弓月あや先生の作品の中では一番面白かったです。あっという間に読み切ってしまいました。

まず、翠の接触恐怖症というテーマについてですが、原因自体は割とあっさり明かされたものの、設定そのものは最初から最後までしっかりストーリーに生かされていたのが良かったです。
恋愛についても早急にくっ付くのではなく、接触恐怖症を患う翠にヴィクターが気を遣いながらお互いに少しずつ歩み寄る様子が丁寧に描かれているのでその辺についても良かったと思います。

ただ、やはり幾つかモヤッとするシーンもありまして…。
一つはヴィクターが翠に意地悪をして泣かせるシーンです。
いくら高報酬の仕事だからと言って安易に飛び付くと危ない目に遭う可能性があるという事を世間知らずの翠に身を持って分からせる為の意地悪…というのならまだ理解は出来るのですが、ただの嫉妬って……流石に呆れてガクッと来てしまいました(-_-;)
ぶっちゃけ、作中で一番「ないわー」と引いてしまったので、ヴィクターのこの幼稚な意地悪には少しガッカリしてしまいました。

二つ目は後半の翠の行動です。いくら兄が刺されて気が動転しているとはいえ、病院を抜け出してウリをした挙句、風呂場で入水自殺を図るって…。流石に後半の翠の行動は全く理解出来なくて「どうしてそうなる!!!」と、心の中でツッコミ入れまくりでした。色んな人からあれだけ愛されてるんだからもっと自分を大切にしなよ…っていうね(^^;)

三つ目は「眠り姫」というテーマについてです。タイトルにもなっているこのテーマですが、私には何がどうして眠り姫なのか最後までイマイチよく分かりませんでした。
作中にもちょいちょい眠り姫というワードが出て来ますが、正直、無理やりこじつけているようにしか感じられず、別に無理に眠り姫に拘らなくても良かったんじゃないかなぁと思ってしまいました。…まぁ、あくまで私一個人の感想ですが。

とまぁ、こんな感じで幾つか引っ掛かる部分もあるにはあったのですが、ストーリー自体は面白かったです。
特に翠のお兄さんとストーカーの件については、意外な形で決着がついたなと思いました。最終的にお兄さんが下した判断については「本当にそれでいいのか!?」と思う反面、個人的にはアリだと思いましたし、お兄さんのスピンオフが出るなら是非読んでみたいと思いました。(もしかしたら主役CPよりも面白い話になるのでは…!?笑)

幸村佳苗先生のイラストも作品の雰囲気に合っていて素敵でしたし、割と楽しく読めたので買って良かったなと思いました。とりあえずお兄さんのスピンオフ、待ってます!o(^▽^)o

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2022年06月08日

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