【感想・ネタバレ】ブロックチェーンの未来 金融・産業・社会はどう変わるのかのレビュー

あらすじ

■本当のところどうなのかを解説
仮想通貨を支えるテクノロジー、ブロックチェーンが注目を集めつつある。技術は未熟な面があるが、通貨、金融サービス、契約・取引、IoTなど、経済社会の広範な分野に破壊的なインパクトをもたらす可能性があります。
■豪華な執筆陣がわかりやすく、包括的に解説。実務的・学術的関心にも応えます。
本書は、金融・フィンテック事情に詳しい翁百合氏、柳川範之氏、岩下直之氏の3氏をはじめ、経済学、法律、銀行、証券、ITなど各分野の実務担当者、官庁の担当者が一堂に会して、ブロックチェーンの可能性を解説します。本書にはつぎのような特色があります。
★わかりやすさ:本書は、ブロックチェーンを技術面から解説するのではなく、その特徴やメリット。その分類、課題や実践例などを平易に解説し、広く社会への影響をとらえるものです。
★包括性:ビットコインに代表される仮想通貨、国際送金などの金融サービス、企業のサプライチェーンへの応用、電子政府への導入など、さまざまな応用事例を具体的に、包括的に紹介。日本の実証実験の状況はじめ、海外の事例を豊富に取り上げます。
★実務的な関心に応える:各分野でブロックチェーン応用の実証実験に取り組んだ当事者が、執筆に参加しています。そのため、実務に即して何が課題なのか、どのような可能性が開けるのか、実践的観点に役立つ内容になっています。官庁の担当者も執筆に加わっているので、日本政府の姿勢もわかります。
★学術的な関心にも応える:金融政策や金融規制、金融システムとの関連、法的な枠組みとの関係、経済学の契約理論からどのように説明できるのかなど、学術面も含めたより深い知的な関心にも応えるものです。
★ブロックチェーンが社会を変えていく様を展望した「未来年表」のほか、用語解説集も盛り込み、充実した内容になっています。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

ブロックチェーンの活用に関するイメージが湧く。
技術の詳細に関しては他の書籍を参考にした方が良いが、ブロックチェーンの技術をどう社会に実装して、どう便利にしていくか、にフォーカスを当てているため、ワクワクする気持ちになる。
例えばエストニアの事例は興味深い。日本ではマイナンバーカードを活用してID管理をしていて、ここ数年でかなり普及した感があるが、エストニアはそういった活動をもう20年くらい前に始めていた。もともとロシアに支配されていた歴史があり、国家としての存続を考えると国土を軸に考えるのではなくデジタル世界で国家を作るほうが持続的だと判断して、IT技術への投資と活用を行った。医療や治安の改善など、行政の手続きを含んだ改善がかなり進んでいる様子には、羨ましさを感じる。

また、スマートコントラクトについてもわかりやすく言及している。自動で契約が行われること自体は真新しいものでもないが、管理主体のいないブロックチェーン上で契約が自動執行されることで注目を浴びた。
元来の管理主体が存在する場合、取引をするには、その第三者の管理主体が信頼できること、適切に処理を行ってくれること、などが担保されている必要がある。また、第三者を介するので時間や手間がかかる。
当事者同士で契約が自動執行できると、第三者は不要になり、手数料なども払わなくて良くなり、即座に取引が完了できるなど、メリットが大きい。身近なシーンでは想像つかないけど、海外への送金や物の発送などを考えると、多種多様な書面へのサインを行う必要があったりと時間も手間もかかる。そういった観点でブロックチェーン技術におけるスマートコントラクトは革新的と言える。もちろんすべての事柄を考慮してコードに落とし込むことが難しいなど課題もあり、組織の必要性と共に語られている。

他にもダイヤモンドの取引に活用されるなど、事例をたくさん知れる。
ブロックチェーンが実現できる未来をさっと手軽に覗いてみたい方にぴったりの一冊。
別の書籍で基礎や用語を抑えておくと楽しめそう。

0
2024年03月02日

「IT・コンピュータ」ランキング