あらすじ
10歳で発達障害のひとつ、アスペルガー症候群と診断。
中学校に通えなくなったのをきっかけに、あえて進学しない道を選んだ15歳の「生きる道探し」とは?
現在、15歳のコーヒー焙煎士として、メディアで注目されている岩野響さん、初の著書! ご両親のインタビューとともに、ベストセラー「発達障害に気づかない大人たち」著者、精神科医・星野仁彦先生の解説も掲載
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Posted by ブクログ
小学校でアスペルガー症候群と診断され、(本人は中学生になってから自覚し)、みんなが当たり前にしていることを無理にする必要はないと判断し、自分にできることを見つけて自分らしく生きる道を見つけた、ある少年の記録です。
途中、ご両親の回想録みたいなのも間に入ります。
発達障害を抱えている当事者とその親が、学校でどのように苦労したか、先生の対応によっては救われたり、逆に行き違いが起こったりする例も書いてあり、教育現場で働く私としてはとても参考になりました。
今は、発達障害はめずらしいものではく、誰でも他の人と比べて凸凹したところがある、発達の速度やタイミングは本当にひとそれぞれである、と認知されているので、私も普段から、他の人と比べるのではなく、一人一人の生徒の成長を見ようと心がけています。
ご両親が、小さい頃から「何かおかしい」「いや、この子の個性だ」と感じながらも、やはり学校では苦労し、夫婦で家族で話し合い、本人の生きる道を一緒に見つけてきた姿は素晴らしくて、心打たれます。
読んでよかったです。
Posted by ブクログ
色々と将来に行き詰まりを感じていたけれど、こういう考え方や生き方もあるなと気が楽になれました。ご両親の考え方が素敵です。「できない」ではなく「できる」にスポットを当てること。つい忘れがちなことを思い出させて頂きました。
Posted by ブクログ
◾️できないことより、できること。そしてできることから、あなたにしかできないことへ。
◾️できることを積み重ねて、自信を取り戻す。
◾️病気や障害を受け入れること。それは認めたくない気持ちもあると感じました。ただ、認めることができれば、できるできないの整理をしたり知識を集めること、支援にも繋がります。
Posted by ブクログ
障害を抱えた本人,両親の考えや気持ちを知ることができる。特に本人も体験談を振り返っている点が,他の本にはなかなかない点かなと思う。
障害をもつ人だけでなく,多くの人が前向きに生きるために,必要な考えが入っている気がする。
Posted by ブクログ
「子育てのノロイ…」の中で紹介されていた一冊
アスペルガーがあるお子さんが15歳で焙煎士として生きる道を作っていく、その過程の葛藤をご本人、両親、医師の立場から多角的に書かれている。
親としては恥ずかしい、子どもが分からない、子育ての失敗、様々な葛藤があった事かと。でも『できないことを見るのではなく、できることをさがしていく』とてもポジティブで且つ子育ての基本、それが悩んだ最終たどり着いた答えで、ちゃんとできているご両親が立派で素晴らしい。そしてそう思えて楽しい、とあった一節もとてもステキだ!
本人のズタズタにされた心も癒えて、自信を持って生きていく。当たり前のことがとても難しい世の中、これは障害の有無ではないかと。全ての人に当てはまり、全ての人が少し優しくなるだけで大きく変わることのように思う。
保育士の先生に相談できないほど注意ばかりされていた、という文章が心に響いた。当時は今ほど知られていないとはいえ、第二の母であるような保育士に相談できない状況はきっと母親としてとても辛かったのではないかと… その後小学校の鹿貫先生が、「響さんは響さんでいいの!お母さんは、彼のできないことをサポートすればいいの」という一言に救われた。ステキな先生だ。
本人は、友達の力まで借りないと、中学に通うことができないのか、とショックを受ける… 72
とても正直な一言。思春期も重なり不安に押しつぶされそうだ…辛い。
親ができることは、環境を整えることだけ。
なんでできないの? よりも、どうしていきたい?と考える方が自由だし、ワクワクします。 163
Posted by ブクログ
響さんの経験が書かれ,その後にご両親からの視点で書かれるという構成が面白い。三者の葛藤とそのやり取りやその中で見出されていく最適解がありのままに描かれ,のめり込んでいきました。
最後に星野先生が書かれている「大切なのは子どもの好きなことを伸ばし,苦手なことを無理強いしないことです。それを貫くだけでも,お子さんはずいぶんと生きやすく,自分の人生を楽しめるのではないでしょうか。」という内容は,全ての子どもたちに通じる話だと感じた。
Posted by ブクログ
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わたしがあれこれ語るべきことは
なにもありませんが、
ひとりの人間を産んで、生命を育ませていただいている身として、沁み入るものがありました。
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仕事とは、誰かのお役に立つこと。
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仕事とは、困っている誰かを助けること。
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すでに冨谷、角畠がご紹介させていただいてますが、便乗して佐藤からもオススメさせていただきます。
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『人間が人間を育てるなんておこがましい。生命を教育しようなんて思うことが間違っていて、サポートでいいのよ(文中より)。』
教育ってなんだろう
しつけってなんだろう。
普通ってなんだろう。
働くってなんだろう。
生きるってなんだろう。
幸せはどこにあるの?
たくさん問いかけながら、スタバで半泣きになりながら読んだ本。
冨谷より紹介済みですが、私からもおすすめさせていただきます。
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発達障害を抱えながらコーヒー焙煎士として活動する岩野響さんが自身の今までの苦悩とコーヒーとの出会いや思いを書いた一冊。
学校へ通って教育を受けるという基本とされていることから道を外れ、コーヒー焙煎という没頭できることを見つけ毎日打ち込んでいる著者の姿を本書で知り心が打たれました。
小・中学校に通っていた時の周りと同調できない本人や病気との付き合い方を模索する両親それぞれの苦悩を知りました。
そして、できることを見つけていきそれを唯一無二のできないことにしていくという考えは素晴らしいことだと思いました。
また巻末にある精神科医の星野仁彦氏の解説によって岩野家での取り組みが発達障害との向き合い方の方向性として正しいことも理解できました。
本書を読んで、日本ではまだまだ発達障害に対する理解が進んでいないことも痛感しました。
そして、早期発見できる仕組みをつくることは早急に対応しなければいけないと感じました。
テレビなどのメディアに取り上げられ少しでも理解が進むとともに誰もが自分の特性を生かしていくことのできるようにしていくべく、この国の教育についても見直すべきところがあると本書を読んで感じました。
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本の構成として、本人・両親が交互に展開されるので少々読みずらさはあるが、障害を持っている子供の実際の声を聞けて、とても勉強になった。この本が出されたのが2017年で、本人の話を振り返って、年月をたどると、いかに学校教育が障害を持っている子供に対して配慮がなかったかがよくわかる。これから小学校の先生になるにあたって、自分の立ち振る舞い方を考えていきたい。私はアルバイトで放課後等デイサービスで働いているが、今自分に出来ることを考えて子供達が将来自分で働き稼ぎ生きていけるようにサポートしていきたい。
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大きさは違えど凸凹は誰でもある。誰でも、凸を最大限に活かさないともったいない。学校は自分の凹を突きつけられる場所だから辛い。そのあとよりよく生きることに繋がればいいけれど、ただ自信をなくして社会への居場所がないような、絶望感を植え付けられて終わるのは、ダメだ。
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発達障害において、人より鋭い感覚はデメリットになりがちのように思っていたが、鋭い味覚と嗅覚を活かし焙煎士になるなんて凄い。
デメリットと思えばそれまででも、メリットとして活かす選択肢が1つでもあることを知ると、世界が一気に広がるように感じた。
響さんと親御さんの経験談は、我が子とも被る箇所はあるものの、まだ知らなかった特性を知るきっかけになり、もっと勉強しなければと考えさせられた。
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《発達凸凹な生き方》
15歳でコーヒー焙煎士、素晴らしい!
才能を伸ばしている家族の皆さん、素晴らしい!
受け入れて支援している周囲の人たち、素晴らしい!
人にはできることとできないことがある。それを自分の物差しで計り「常識」に当てはまるのではなく、本人がやると決めたことを応援する、それが本人と周囲の人達を幸せにします。
発達障害と不登校には関係がある。何故なら学校内でできることを探せないからだ。
それなら家で自分のできることをとことんやってもらう、それが「才能」を開花させる。
それが良い!!
Posted by ブクログ
発達障害を持つ人の大成功パターンだと思う。
後半で精神科医の星野さんが書いているように、発達障害は、発達凹凸症候群という言い方にしたほうがいいくらい、あることは飛び抜けてでき、あることは全くできないというのが特徴である。(定型発達は、飛び抜けてなくても平均的に満遍なくこなす)
15歳の響君は、家族の支えもあって早いうちから自分の得意なことを生かせるコーヒーの焙煎士という天職に巡り会えたのだと思う。人と関わる接客などは苦手でも、モノと向き合うのは人よりも得意なことが多い発達障害の良さを活かして、普通は3時間くらいしか集中が難しいといわれる焙煎の仕事を、何時間もこなしてしまえるのは、発達障害の強みだ。
Posted by ブクログ
裏打ちされたポジティブさがあった。
できないことひとつ見つかれば、
できることひとつ見つけていくんだって、
言葉に肉付けされた、
これまでの家族のチャレンジが。
そうやってこれまで結局放り出さないでごまかさないで来た
人の言葉は、
ありふれたような言葉であってもうわっすべりしない。
そうだよなあと納得させられる、
この本の言葉はもともとの言葉に見合った重さだった。
Posted by ブクログ
小さいころからできないことが多かった…けれどできることもあった…。10歳でアスペルガー症候群と診断を受けるまでの本人と両親の葛藤を考えると心が痛みます。中学から登校できなくなったことを機に、本人のできることに目を向けて、それを支援することに力を注ぐ両親の深い愛情に感銘を受けました。響くん自身も頑張ってると思います。
響くんのその後…東京にお店を出したみたいですね!カメラマンとデザイナーとしても活躍しているみたい…すごいなぁ~ホント、響くんだからこそ、できること!響くんのいいところは両親への感謝の気持ちが常にあること、響くんの焙煎したコーヒーを一度味わってみたいです(^^)
Posted by ブクログ
10歳でアスペルガー症候群と診断され、中学校に通えなくなったのをきっかけに15歳でコーヒー焙煎士となった岩野響さんが、幼少期から今までの経緯や思いを綴った本です。
私が初めて岩野響さんを知ったのは多分新聞の地方紙か何かだったと思います。でも実は響さんのご両親は天然染めのお洋服を製作販売されていて、その「リップル洋品店」さんのお洋服をそれ以前に知っていたので、リップル洋品店さんの息子さんなんだ!とびっくりしました。リップル洋品店さん、とっっっても素敵な色のお洋服を制作されています。
この本はご本人の思いだけでなく、響さんを育て、一緒に考え悩んできたご両親のお話や、専門医の方の解説も載っていて、多角的な視点から読むことができてとてもよかったです。
学校生活ではできないことだらけで自分に自信を持てずにいた響さんが、自分の好きなこと熱中できることに出会い、それを仕事にすることができ、生きやすい場所を見つけることができた。本当に素敵なことだなぁと思います。障害があるなしに関わらず、全ての人が自分の生きやすい場所で生きていける、そんな世の中になったらいいですよね。
できないことよりもできることに目を向ける、わかっちゃいるけれどついつい忘れがちなとても大切な視点に改めて気づかせてもらいました。
響さん自身が好きなコーヒーは「深くて甘いコーヒー」だそうで、まさに私も深入りで酸味のないコーヒーが大好きなので、ぜひ響さんの焙煎するコーヒーを飲んでみたいです!
この本は2017年に初版発行されているので、響さんももう19歳?最近は洋服のブランドも手がけているそうです。
『コーヒーはぼくの杖〜発達障害の少年が家族と見つけた大切なもの』という著作もあるようなので、機会があったらそちらも読んでみようと思います。
「人間が人間を育てるなんておこがましい。生命を教育しようなんて思うことが間違っていて、サポートでいいのよ。響さんは、響さんで完成されていてすばらしいわけだから(中略)お母さんは、響さんができないことをサポートすればいいの」(48頁)