あらすじ
銀座、築地、日本橋、八丁堀、人形町……。約五〇年前まで、水路や掘割に囲まれていた下町。その名残を尋ね、掘割が出来た理由や、街の来歴、神社仏閣の縁起などを探っていく。また、江戸や明治期と現在を重ね合せた「地図」が満載。さらに、川が流れていた昭和期の懐かしい街並みの「古写真」も豊富に掲載されていて、眺めているだけでも楽しくなる。東京メトロ、都営地下鉄の最寄駅・出口からの詳細な「街歩きガイド」も付いていて、散歩のお供にもなり、江戸・東京の歴史の勉強にも使える一冊。『ブラタモリ』に案内人として7回登場したエキスパートが勧める、新たな街歩きの楽しみ。
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Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章 水の都にふさわしい江戸時代の掘割網
第2章 明治前期~延伸した浜町川、埋め立てられた三つ
の掘割
第3章 市区改正事業で延伸した日本橋川と埋め立てられ
た四つの掘割
第4章 二つの川を開削し、三つの掘割を埋め立てた帝都
復興事業
第5章 大空襲の瓦礫処理で埋め立てられた五つの掘割
第6章 高度成長期以降、陸化した五つの掘割
おわりに
<内容>
この本のできた経緯は「おわりに」に書かれている。ブラタモリにも登場した著者のこの本は、専門書顔負けの本である。江戸の町は水の都であった。江戸時代以降、掘割が掘られたり埋められたりを繰り返したが、関東大震災、東京大空襲で瓦礫処理で多くが消え、高度成長期に高速道路網と河川のドブ化がすすんで、今のような状況である。しかし、神田川などを見るとその名残がある。著者の言うように、高度成長も過ぎて若者の車離れも進んだ。東京都心には物流拠点も大工場もない。河川や掘割を復元し、東京の水の都化計画、いいと思う。