あらすじ
巨乳?ボイン?デカパイ?
以後、おっぱいについて語る者は、この本を避けて通ることはできないだろう。
「おっぱい」はいつから性器になったのか。巨乳愛の虚実を谷間に探る!都築響一(編集者)
いつの時代でも大きなおっぱいが好まれていたわけではない。70年代にはユニセックスで華奢な体つきこそがファッショナブルであり、80年代のAV業界でさえも胸の大きなAV女優は人気を得ることができなかった。ようやく「巨乳」という言葉が誕生し、一般的に普及したのは1990年頃になってから。それまでは「ボイン」「デカパイ」「Dカップ」などと呼ばれていた。江戸時代から開国、敗戦、経済成長を経て現在、社会の「大きなおっぱい」の受け止められ方は、時代を反映して変わっていく。なぜ変わっていったのか。その理由と全貌をあきれるほどの調査で明らかにした革命的論考。
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Posted by ブクログ
日本における巨乳をめぐるメディア論。
徐々に門戸が開かれ、現在は巨乳の基準が引き上げられ一般化しているという一連の流れを感じた。
人名やら出版社がどんどん出てくるので、少し情報量の多さにたじろい。個人的には個別は諦め大局を捉える読書に専念したことで、面白く読み通すことができたな。
Posted by ブクログ
牧場に行った時、種付け用に針金で作った粗末な人形に馬が興奮するのを見て哀れだなぁって思ったけど、AV女優のシリコンの巨乳に興奮する人間様も同じだった。
でも、本書を読んで巨乳に興奮するのは最近、しかも、明治まで、日本人はオッパイには興味が無かった事を知った。面白いですね
Posted by ブクログ
ヨーロッパでの、胸、あるいは、肉体に対する感覚が、ギリシャ時代からの思想やキリスト教の考え方から影響を受けているとか、それに反して日本の着物文化や社会風土により、春画などからも分かるように胸は顔の延長、性のシンボルとしては下半身のみ意識されていたという指摘は興味深い。ある方向(巨乳化)に進めば進むほど過度なところまで行ってしまって、その反動で真逆のものが出てきたりするのはどんな分野でも一緒なのだと思う。どんどん複雑化していったクラシック音楽が新古典主義に戻ったりとかみたいな。