あらすじ
6カ年で膨大なデータを集積!
分析の結果わかった、「良い会社」への変わり方。
会社経営の最大・最高の目的・使命は、その組織に関係する人々の幸せの追求と実現。
法政大学・坂本光司研究室とパソナキャリア「良い会社プロジェクト」が実施した
50,000人への共同調査でわかった、「人にやさしい & 好業績」企業をつくる7つのキーワード。
多くの経営者は最初から良い組織をつくることなどできません。
業績に対する不安感や経験不足からくる自信のなさで、
社員を翻弄してしまいます。私は今でも大した人間ではありませんが、
当時の自分を思い出すと、社員への申し訳なさで胸がいっぱいになります。
坂本先生とお会いして感じたのは、
先生が世の中を良くするために働いている「無私の人」であるということです。
物すごいペースで企業調査へ行かれ、そこで得た知見をベースに大学院で指導や
講演・執筆活動などを行っており、その活動ぶりは驚くばかりです。
働き方改革が叫ばれるずっと前から坂本先生は人を大切にする経営を訴えてこられました。
はじめから抜粋
■目次
PART1 「良い会社」はどうすればつくれるのか
ものさしとしての「良い会社」サーベイ
人不足時代に求められること
素朴な疑問、「良い会社」とは何か?
発足した「良い会社」プロジェクト
法政大学・坂本研究室とのコラボレーション
PART2 「良い会社」をつくるための7つのキーワード
7つのことに徹底すれば「理想の会社」に変わることができる
第1のキーワード 社員の幸せが大切にされている
第2のキーワード 経営理念が実践されている
第3のキーワード 協力企業やお客様を大切にしている
第4のキーワード 理念採用をし、人財育成に力を入れている
第5のキーワード 話し合う風土がある
第6のキーワード 社内に一体感がある
第7のキーワード 納得性の高い人事評価がなされている
PART3 「理想の会社」はすべての人を幸せにする
1冊の本から生まれた「大賞」と「学会」
40年間、全国に8000社を訪ね歩いてわかったこと
「良い会社」を診るチェックポイント
パソナキャリアとの共同研究
「良い会社」が世界標準になる日
[付録]「良い会社サーベイ」(簡易診断)
■著者 坂本光司
■著者 渡辺尚
感情タグBEST3
理想の会社への組織変革物語
本書籍プロジェクトメンバーの1人です。
産学共同研究にご協力いただいた現場で働く社員の想いと、より良い会社を目指す人たちのために自社データの研究活用を快諾してくださった経営者の覚悟に、敬意を表し、本来はレビューされる側であることを承知した上で、投稿いたしました。
本書は、法政大学大学院 坂本光司教授と株式会社パソナ パソナキャリアカンパニー 渡辺尚カンパニープレジデントが発起人となって「『良い会社』とは何か?」という企業経営に関係する人々に共通するテーマについて、6ヶ年に亘る共同研究の試行錯誤のプロセスと、その中で浮かび上がった理想の会社をつくるための「7つのキーワード」を実践し続けている会社の事例を描いたストーリーです。
「会社は、誰のものか?」という問いに、かかわるすべての人々の幸福の追究と実現であると説く、坂本教授の経営論の特徴を一言で述べると社員第一主義、つまり、社員とその家族の幸せの実現を目的とし、持続的成長を目指す経営をすべきというものです。
逆説的な表現をすれば、社員とその家族を不幸にする経営、すなわち、本著の「7つのキーワード」が実践できていない企業は、中長期的には存在できなくなるということで、その坂本教授の経営論は8,000社以上のフィールドワークを通じて、坂本教授自身が実証されています。
本著では、上記の坂本教授が提唱する経営論を実践する経営リーダーたちが、『理想の会社』を目指して悪戦苦闘の末に、社員といっしょに組織変革に挑戦した経営事例集です。
その経営事例を定性的な「物語」で終わらせずに、50,000人超への社員意識調査による定量分析の視座も加えたエビデンスベースドマネジメントの実証ドキュメンタリーとなっており、現場で悩み、苦しみもがいた経験を持つ経営リーダーにとっては、自分自身の境遇と重なるエピソードに共感できる点が数多くあるのではないかと思います。
共同調査に関わった社員の声を代弁し、また、共同研究へ参画した企業を代表して掲載された勇気ある18社の経営リーダーへの賞讃の気持ちから、☆5評価とさせていただきます。
書籍や本レビューについてご指摘やご感想をいただけましたら幸いです。
坂本教授の「人を大切にする経営学講義 」(PHP出版)が、342ページの大作となります。その導入書籍としても、お勧めいたします。