あらすじ
21世紀になって、はや15年。
日本社会は「成長社会」から「成熟社会」へ、大きな変化を遂げました。
私たちの働き方も、それに合わせてアップデートさせる必要があります。
20世紀の「成長社会」の特徴は、ひとことで言えば「みんな一緒」という感覚が強かった社会。
それに対し、現在の「成熟社会」とは、「それぞれ一人一人」に細分化されていく社会です。
21世紀になり、人々は分断され、価値観は多様になり、社会は複雑化してきています。
「みんな一緒」の成長社会から「それぞれ一人一人」の成熟社会へ――。
これが理解できると、ビジネスチャンスの見つけ方も変わります。
本書では、リクルート社フェローから民間人校長へと転身し、
教育界で革新的な挑戦をし続ける藤原和博氏が、
21世紀の「成熟社会」を生き抜くための働き方を講義します。
序章にあたる〈ORIENTATION〉では、
自分の仕事の付加価値を高め、「信任(クレジット)の三角形」をつくることの意義が解説されます。
「信任の三角形」とは、いつの時代にも淘汰されない付加価値の高い仕事をするために、
3つのキャリアの「掛け算」によって100万人に1人の希少性ある存在になる、というものです。
続く〈LECTURE 1〉では、「成長社会」から「成熟社会」へ、
21世紀に社会がどう変化しているのかを明らかにします。
その上で、21世紀という成熟社会において、前章で解説された
「信任の三角形」を築き上げるために必要な基礎力である
「情報編集力」について解説します。
「状況がさまざまに異なり変化する、「正解」なき「成熟社会」では、
自分の頭の中で知識・技術・経験のすべてを組み合わせ、それぞれの状況に合わせて、
自分も他者も納得できる「納得解」を導き出す「情報編集力」が必要です。」
〈LECTURE 2〉では、この「情報編集力」を実践的に鍛える4つの方法が紹介されます。
「ブレインストーミング」「面接質問」「シミュレーション」「付加価値の問い」のそれぞれについて、
様々な例題とともに紹介され、それらを解きつつ読み進めることで、
「情報編集力」が自然と鍛えられていきます。
「情報編集力」によって自力で「納得解」を導きだしたら、
今度はそれを他者と共有する必要があります。
〈LECTURE 3〉では、「情報編集力」を駆使して紡ぎ出した納得解を
相手の脳内に直接イメージを映し出すように伝える方法について解説します。
そうして納得解を共有し、他者を巻き込みながら「信任の三角形」を形づくろうとするとき、
チームをうまく動かしていくための“マネジメント”が肝になってきます。
〈LECTURE 4〉では、経営者のみならず新入社員すらも
身に付けておくべき「経営者意識」について解説します。
最後、〈LAST LECTURE〉では、これらの理論を体現してきた著者が
自身の半生を振り返るとともに、「信任の三角形」からさらに進んで
「信任のピラミッド」をつくろうとする新しい挑戦が紹介されます。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
2016年最初の1冊。
年末に直接お聞きした内容そのものだったので、サクッと読めました。
この本のポイントは、下記5つかなと思います。
・日本で働く人の時給格差は、100倍(バイトの800円から、マッキンゼーのコンサルタントの8万円)
・自分自身を「レアカード化」しないと稼げる大人にはなれない。
・普通の人が「レアカード」になるには、まずは一つの分野で100分の1の人材になること。異なる3つの分野でそれを達成できれば、3分野の掛け算で、100万人に1人の人材になれる。
・20世紀の「成長社会」の特徴は、ひとことで言えば「みんな一緒」という感覚が強かった社会。 それに対し、現在の「成熟社会」とは、「それぞれ一人一人」に細分化されていく社会。
・成熟社会においては、もはや「正しい幸せ」などない。
今後のキャリアを考える上で、全世代に参考になる一冊です。
Posted by ブクログ
民間出身の校長を務めた藤原さんの著
10年後(2020年以降?)を想定した個人・組織の話。機械により大部分の労働が代替される近未来において、どのような働き方が有効で、そのために何をすればいいか?への藤原さんなりの解答例。
自分の付加価値の話や、サーバント型リーダーが束ねる組織(本書では方向性の異なる会社と個人のベクトル和の最大化とあるが、本質的には会社という箱の中にピラミッドがある従来型の組織の否定であり、これをリーダーシップの観点で見るとサーバント型リーダーシップになると理解できる)など、現在の潮流そのままの話題も多いが、興味深いのは、1/1000000の存在になることが重要でそのために何をするかということ。
藤原さんの提案する1/1000000の目指し方は2つ
・999999/1000000を倒して頂点に立つ
・1/100×1/100×1/100の三角形を作る
前者には先天的な要素も無視できないけれど、後者ならだれでもそうなれる。
1/100と1/100の組み合わせはイノベーションにもつながる。ネイリスト×アーティスト=ネイルアーティスト、これってわかりやすい。
自分では気づかない1/100もあるんじゃないかと思った今日この頃。1/100なら学年で1番とかそういうレベルだし、軸となる特徴値(スキルとは限らないと解釈、グロービスの岡島さんの言うタグに近い考え?)が100種類以上はあるだろうと思うと、誰でもなれるかもという期待感の出る話。
Posted by ブクログ
なかなか面白かった。
正解では無く納得解。それを紡ぎ出す情報編集力。
相手の世界観の中で話す。それを可能にするのは聞く態度。
二つのベクトルが生む力。第三の力。これは会社だけではなく夫婦にも言えそう。
Posted by ブクログ
富士山型から八ヶ岳型の人生へ。
1万時間かけて人生の三角形をつくる。
年収でなく時給を意識する。
リクルート出身者らしい考え方が記された本。
Posted by ブクログ
【内容】正解のない時代を生きるヒントが満載。
【主張】DADADAのサイクルで実行せよ
【書評】YouTubeでもお馴染み、藤原先生の講義を丸ごと本にした一冊。新入社員など、若手必読の書。具体的に自分を希少人材(レアカード化)するためのヒントが描かれいる。実践なくしては意味がない。
【気になるフレーズ】
・スピードに関わるのはPDCAのうちの「DA」→DADADAのサイクルに変える
・シンボルマネジメント:象徴的な一点を叩く(変化を起こす時のポイントは局地戦)