あらすじ
大正から昭和へと時代が移り変わる激動のさなか、検閲の嵐が文学を直撃する。円本(文学全集)誕生の経緯も交えながら、文学者、編集者、出版社が織り成す苦闘のドラマを活写する。
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Posted by ブクログ
2/18
文学作品の入れ物について。知っているけどよくはわかっていない「検閲」について、法制度のことから作家や出版社の対応まで丁寧に書かれている。
Posted by ブクログ
検閲は過去のものではないという前置きで、たしかに認識を改めなければならないなと思った。程度の差はあれ、完全なる自由というものは存在しないということを念頭において書物を読んでいく必要がある。
1926-27年という限定的な期間の話ではあったけれど、実際の検閲がどういうものだったのかが想像できた。
そして検閲制度自体に明確な基準がなくブレがあり、少人数での運営だったことや、検閲する側とされる側でなるべく不利益を減らす方向で調整していたことなど、興味深く読んだ。
政治と文学の接点を考えるのは面白かった。新聞などの記事と違って文学には人の心を動かす力があり、御上はそれを恐れたということなのだろうか。
どんな階級の人にも手に届くようにと総ルビの全集が作られ、文学を民衆のものにするという動きには胸が熱くなった。権力が反対意見を封じてきた歴史は消えない。先人たちが苦労の末に勝ち取った権利を享受していることを忘れずにいたい。そして今後も、封じられたり利用されたりすることのないよう目を光らせていなければならないのだと思った。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
関東大震災、治安維持法、普通選挙、拡張するマスメディアと出版界…大正から昭和へと時代が移り変わる激動のさなか、検閲の嵐が文学を直撃する。
そして謎に満ちた一九二六、二七年の筆禍―。
当時の総合雑誌ではもっとも頻繁に検閲処分を受けた『改造』を中心に、円本(文学全集)誕生の経緯も交えながら、文学者、編集者、出版社が織り成す苦闘のドラマを活写する。
[ 目次 ]
第1章 検閲へのアプローチ
第2章 出版法と新聞紙法
第3章 山本實彦と雑誌『改造』創刊
第4章 「内閲」という慣行
第5章 二つの戯曲―藤森成吉「犠牲」と倉田百三「赤い霊魂」
第6章 一九二六年七月のミステリー
第7章 文藝家協会と発売禁止防止期成同盟
第8章 抗議運動の亀裂と円本の登場
第9章 中里介山「夢殿」と切取り削除
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