あらすじ
生物はなぜこんなに多様なかたちをしているのか? 餌の種類に応じてくちばしの形を変えた鳥、雄が交尾後の雌に貞操帯でフタをするトンボなど、多様な姿や驚きの行動が、どのようにして生起したのかを解説。さらに中立進化説、分子遺伝学や行動生物学といった最新の知見を紹介し、「挑戦する雄」が新たな種を生み出すとの新説や、過剰な適応は絶滅への道であることを提唱する。知的興奮に満ちた生き物好き必読の書。
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Posted by ブクログ
ダーウィン進化説の概論、動物の行動は自己利益優先主義に基づくこと、20世紀に入ると分子遺伝学が劇的な発展をみせたこと、中立進化説という新たな学説(分子遺伝学のレベルでは進化は大半が偶然に怒る)が提唱されていることなどが紹介されている。
入門と銘打たれ、高校生や大学生の一般教養課程向けに書いたものだとされているが、社会人が読んでも読み応えがある。
生殖と進化の項は特に興味深い。ここでは様々な生物における雌をめぐる雄の戦いが紹介される。例えばある蜘蛛の雄は交尾の直後に死に、死骸が雌に付着して貞操帯の役割を果たすというから大変な驚きだ。
生物が如何に進化してきたかということの理論的枠組みが非常にわかりやすく解説されている。読み返したい一冊。
Posted by ブクログ
構成が分かりやすくて、読みやすい本だった。進化について様々な角度から書かれていたけど、特に自然選択による進化以外の進化の方法について書かれていた部分が面白かった。例えば、異なる種のDNAが侵入する水平伝播とか。スパイダーマンとかテラフォーマーズみたいでかっこいいなって。
Posted by ブクログ
「入門」と呼ぶにふさわしく、とても分かりやすい。網羅的にまとまっているが、特に目新しい知識はなかった。分子遺伝学は基本的なことがよくまとまって記載されている。
Posted by ブクログ
進化についてはいろいろと読んできているものの、新書であらためて読み直すというのも面白いかな、という軽い気持ちで読み始めましたが、このサイズに程よくまとめていただけて学び直しとしても十分な内容でした。
中立進化について触れらているところが特に面白いところではあるし、利他的と利己的という対比についても面白いところでもある。ただ中立進化のところはもう少し理解しやすくてもよかったかなとは思う。アリの社会性という面についての進化ももう少し掘り下げてもらいたいところ(ウィルソンの名前が出てきたので期待してしまった)。
新書なので保管場所も取らないので、後からまた調べ直しできるように本棚に保管します。